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家族から捨てられる父親。夫婦こそ最大のリスクヘッジになるのにもったいない!

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家族から捨てられる父親。夫婦こそ最大のリスクヘッジになるのにもったいない!

家族から捨てられる父親。夫婦こそ最大のリスクヘッジになるのにもったいない!

 

母子家庭の貧困を、当事者へのインタビューとデータから描き出した、詩人で社会学者の水無田気流さんによる『シングルマザーの貧困』(2014年11月刊行、光文社新書)。就労と家事・育児の両立が難しい社会を生きやすくするための望ましい方向と、生き延びるためのヒントについて、前編に引き続きお話を伺った。

◎「ゴキブリ」と呼ばれるお父さん

―― 前編では、制度が変わらないために、母親になるためには「母性信仰」に適応するしかなく、保守的な女性が再生産されている。それによって、制度が変わりにくいとお話していただきました。後編からは、この“変わらなさ”の中で、なにができるのかについてお伺いしたいと思っています。まず、男性が変わる必要はあると思うんですよね。そもそも女性自身は、就労と家事・育児を両立することの難しさは十二分に痛感していると思うんです。

水無田 今って、結婚や出産に関して、若い女性に対する脅し言説が蔓延していますよね。「離婚すると貧困になるよ」「35歳までに出産しないと妊娠しづらくなるよ」みたいな。2013年、政府が少子化対策として、医学的には30代前半までの出産が望ましいといった将来設計を啓発する「女性手帳」を検討しました。たちまち大きなバッシングが起こり、中止になりましたよね。女性からしてみれば「そんなの言われなくてもわかってる!」ってことなんですよね。女性の意識だけを変えれば少子化に歯止めがかかるというわけではない。制度は変わらなくてはいけないですし、男性の意識も変わらないといけない。女性ひとりで子どもは産めないし、育てるのも困難です。これは、社会全体の問題です。

―― 女性の基本的人権としての「働く権利」が機能するようにして、同時に労働力を増やす、そして少子化傾向も改善するように、となったら、当然、社会制度や男性が変わらなければならない。また、家事や育児もしたいけれど、仕事があってなかなかできないという男性もいると思います。もっと家に帰って家族との時間を過ごしたい男性にとっても、性別分業はツラい。

水無田 家庭での男親の存在感の希薄さを感じる出来事がありました。以前、電車の中で60代くらいの女性3人組が「あそこの旦那さん、定年退職直後に亡くなったんですって」っておしゃべりしていたんですね。「まあ……」って言うから、次に「お気の毒に……」と続くと思ったら、「理想的ねー!」って(笑)。あと、授乳室で子どものオムツを変えていたら、6歳くらいの男の子がお母さんに「お母さん、ゴキブリ!」って言い出したんですよ。「えっゴキブリがでたの!?」と思ったら、向こうからお父さんがやってきた。

―― お父さんがいないところでは「ゴキブリ」と呼んでいるんですね……。それだけ家族内で存在を軽んじられて、疎まれている。

◎離婚は、家族による「父捨て」

―― 妻には夫への不満があり、夫も自分を軽んじる妻に不満を感じる。大きな原因は、家族間のコミュニケーション不足にあるのではないでしょうか。

水無田 仕事にだけ打ち込みたくて、それを許される家族のサポート体制がある人は、そういう働き方をしてもいいと思います。でもそのような働き方は、実は男性でもだんだんできなくなってきている。

たとえば、男性を好んで活用するような製造業や建築業といった第二次産業は、バブル崩壊まで全体の3割強だったのですが、今は2割にまで落ち込んでいます。全就業者の多くが第三次産業に従事し、医療や福祉といった女性が活躍しやすい産業が伸びてきている。男性の賃金水準も、若年層を中心に総体的に低下しています。昇級ベースも鈍化し、若年層ほど片働きで妻子を養う生活は難しくなってきている。だから、共働きで家計破綻リスクに備える必要性が高まっているし、男性が今までと同じように、ただ外で働いていればいいという状況ではなくなりつつある。

それに長時間働いたり、たばこくさい上司の説教を聞くつまらない飲み会よりも、子どもと一緒に過ごしたいという若い男性の声はよく耳にします。そこそこの収入と安定があれば、無理に昇進しなくてもいいから、プライベートな時間を大切にしたいというニーズは高まりを見せています。

―― 誰もが野望を持ち、出世競争や事業拡大に意欲的なわけじゃないですからね。

水無田 しかし、現実には今なお日本は世界に冠たる長時間労働の国です。統計で見ると労働時間は減ってきていますが、これは非正規労働が増えたためで、ホワイトカラー正規雇用者の労働時間はむしろ延びているという指摘もあります。特に30、40代の子育て世代の男性の労働時間が長い。

―― 育児をする男性を指して「イクメン」という言葉が流行りましたが、実際に育児をする男性は増えているんでしょうか?

水無田 多少は増えているのでしょうけど、いまだに日常的に子どもの育児をする養育者は9割が母親です。日常的な直接接触の時間があまりに少ないゆえ、土日にお父さんが子どもと遊ぼうとすると嫌がったり泣き出す子もいるなんて、よく聞きます。不幸な話ですよね。いつも触れあったり遊んだりしていないから、親子なのに基礎的な信頼関係が築けていない。

―― 先ほど、父親のいないところで母親が「ゴキブリ」と呼んでいる、という話もありましたが。

水無田 男性の孤立問題について考えます。OECDの報告によると、日本の男性は世界で一番孤独だそうです。現役でばりばり仕事をしていないと、なかなか他人とのつながりができない。職場というのは、どんなに緊密な関係を築けていても、会社を辞めた後は、次第に距離が離れてしまうものです。女性が家事や育児によって「時間貧困」に陥っているとしたら、男性は「人間関係の貧困」に陥っているんですよね。それでも定年まで仕事にだけ打ち込むことが、人間の人生として総合的に見た場合、幸福なことと言えるのかどうか。

―― 仕事人間で40年生きていると、会社を辞めた途端に友人がいなくなって、家族とも取り返しがつかないほど冷え切った関係になっているかもしれない。

水無田 しかし、心理学・教育学を専門としているアメリカのスーザン・D・ハロウェイの『少子化時代の「良妻賢母」』(新曜社)によると、妻の不満は、長時間労働を強いる会社ではなく、単純に家事をしない怠惰な夫の性格に向かうそうです。これは私の個人的な感慨なんですが、ライフステージごとの不満って、そのライフステージで解消しないと一生引きずるんですよね。子どもがまだ小さい、一番大変な時期こそ夫に手伝ってほしいのにまったく手伝ってくれなかったら、30、40年経とうが、今際の際でも不満は残っていく(笑)。

―― 東レ経営研究所の渥美由喜さんによる調査では、妻の夫に対する愛情は、出産後に急落しているそうです。その後、愛情が回復するグループと、低いままを維持するグループがある。これは出産後の夫婦関係が、妻の夫への愛情を決めるということなのかもしれません。少し前に「熟年離婚」というワードが流行りました。新婚時代から積もり積もった不満が爆発して、50~60代になって離婚へ。切り出された方は取り残されてしまう。

水無田 熟年世代に限りません。若い世代では今、協議離婚が増えていて、子どものいる夫婦の場合、ほとんど母親が親権をとります。離婚が家族を壊すといいますが、私が思うに、実質的には家族の「父捨て」です。男性は、離婚後にケア資源を失うケースが多く、孤独死リスクも跳ね上がります。ですから、離婚はシングルマザーも大変ですが離別夫も大変です。そうならないために一番重要なのは、男性も家庭責任を共有する意識です。長時間労働でとても家事をやる時間がないと思う男性は多いかもしれませんが、いずれ仕事は退職する日が来ます。でも、家族との生活は別居や離婚しなければずっと続きます。地域コミュニティへの参加も、家族単位です。日ごろから、もっと総合的に自分の人生や日常生活のバランスを考えておく必要があります。家事育児への参加は、その一歩です。

家事育児への参加って、上手く結果を出すには得点圏打率みたいなものがあると思うんですよね。いつもスタメンで試合に出ているのは妻だとしても、ベンチウォーマーの夫が代打に出された時に、きちんと成績を残せることが大切なんです。結果を残すためには、普段から試合の流れをみて、ヒットが期待されているのか、バントが期待されているのか、きちんと把握していないといけない。年に一回アウトドアに連れて行ったり、引退後に海外旅行に行くとか、そういうことじゃないんですよ。実際、夫の育児参加で一番妻が嬉しいのは、「子どもに手が離せない時に、家事をしてくれる」ことという調査結果もあります。たとえば、泣いている子どもをあやしている時に、さりげなく洗濯物を畳んでおいてくれるとか、離乳食作りで手が離せない時に大人用の食器を洗っておいてくれるとか……。「一緒にいる空間を快適にする」ことに積極的に参加する人を、女性は高く評価しますから。

―― 必要とされる時にホームランを打てるようになれば、「ゴキブリ!」なんて言われなくて済むかもしれないですよね……。

◎半沢直樹が裏切られなかった可能性も……!?

水無田 いつも思うんですけど、女性が働きやすくなりさえすれば、この国の多くの問題が解決するんですよね。でもそれが、まったく進んでいない。女性が安定した雇用で働けるようになれば、夫も大黒柱としてのプレッシャーをひとりで抱え込まなくてすむようになり、ひたすら会社の意向に沿う形で長時間働く必要がなくなれば、それだけ子どもとの時間を作れるようになる。男性の家事育児参加が高まれば、女性のほうは家庭生活満足度が跳ね上がり、第二子を産もうというインセンティブも高まることが分かっています。これは、少子化対策になります。

―― 累積している社会問題がうまく解決しそうに思えますね。

水無田 ジャーナリストの治部れんげさんがおっしゃっていましたが、彼女がアメリカで主夫業をこなしつつ転職活動中の男性に取材していたところ、男性にヘッドハンティングの電話がかかってきたそうなんですね。そのやりとりを聞いていると、ヘッドハンティング先のお給料がどの程度かよりも、妻と有給休暇を合わせられるかどうかを聞いている。妻がしっかりとしたキャリアを持っているので、自分自身のお給料より時間を優先できるんですよ。

―― 男性ひとりが家庭の収入源となっている場合では、家族の時間よりも給料を優先せざるを得なくなる。だから昇進もしたいしリストラされないように頑張る。そして家族からもっと家庭を省みてほしいと要望されたとしても、「仕事なんだから仕方ないじゃないか/家族のために働いているのに」と反撥を覚えるのでしょう。

水無田 ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で、同期の近藤直弼が半沢を裏切っちゃったじゃないですか。マイホームを建てたあとなのに出向ですぐに手放すこととなり、さらにドラマ後半では別の土地に左遷されそうになってしまった近藤の悲劇は、ひとりの稼ぎで妻子を一生養わねばならない旧来のサラリーマンならではの問題です。近藤は妻子のため、半沢の敵である大和田常務からの「半沢を売れば東京本部に戻す」という取引にのってしまった。もし左遷を言い渡された時に、妻にもキャリアがあったら「妻も働いているので、その命令は考えさせてください」と言えたかもしれない。万一会社を辞めることになったとしても、妻が稼いでいれば、転職先を探しながらハウスハズバンドをやれる可能性だってあったと思うんですよね。意に沿わない異動や雇用条件の変化などを突きつけられた時、妻の就業は最大のリスクヘッジになるんですよ。

―― 妻が仕事を持っていることがリスクヘッジになる。その発想は、日本男性がなかなかしにくいものかもしれません。最後に、女性中心のmessy読者に対してアドバイスなどお聞かせいただければ。

水無田 まずは離婚をしないための夫婦の戦略としては、話し合いをして、家庭を運営していくことが大切だと思います。今まで日本では、人生のすりあわせをしなくても、男性が働いて女性が家庭にいればそれでよかったのかもしれませんが、今はさまざまな事態を想定しておかないといけない。だから、女性から見て話し合いに応じないような男性はね、選ばなくていいと思いますよ。変化の激しい社会のただ中で、今後はますます話し合いのできない相手と結婚生活を続けるのは難しいでしょう。

―― 想定外の事態についても予測し、話し合いをしておける夫婦が理想ですね。

水無田 また子どもができた時には、新しい夫婦関係を築くために、いったん子どもを横において、2人で話し合うようにしないといけないと思います。日本の女性って、やけにスペックが高いんですよ。託児の手配からご飯の用意から、掃除洗濯までなにからなにまで自分でやって、不満も抱え込んでいる。倒れるほどぼろぼろになって初めて男性が異変に気づく。キツい時には、ちゃんとSOSを出せるように夫とコミュニケーションをとるべきだと思います……と自戒を込めつつ(笑)。

それでもやはり、離婚することだってあると思います。不確定な時代ですから。安定していると思われていたものが、どんどん流動化している。結婚も、してみないとわからないものです。私の本の中でも、聞き取りをした女性の中には、何年もつきあって相手のことを知り尽くしたつもりだったのに、いざ結婚したら隠し借金がわかったという人もいましたし、結婚してからDV夫になってしまったという人もいました。結婚して初めてわかることだって、たくさんあるんです。また、就業や健康状態などによって、人は変化します。一生ずっと同じく安定した状態でいる人がいないように、相手も自分も変化します。それが好ましい変化ではない場合は、離婚することになるかもしれません。この可能性は、常に念頭に置く必要があります。

そんな時、経済基盤から人間関係まですべてを夫に依存してしまっていたら、離婚後に大変な思いをすることになります。だからこそ、万が一のために、自分と子どもの幸せを考えて、選択肢を増やしておくことが大事だと思います。キャリアもそのひとつでしょうね。男性も、今後はパートナーが就業継続していたほうが家計破綻リスクが低下するだけではなく、「世帯単位での選択肢を増やす」という意味で、自分自身のキャリアにとってもプラスになるという意識を持ったほうがいいと思います。今後は妻の家計貢献がなければ家計維持は困難になっていきますし、一生専業主婦でいる女性のほうが少なくなっています。流動化が進んだ社会では、できるだけ選択肢を用意できたほうが不測の事態に対し備えられます。選択肢を用意して、最適だと思うものを客観的に選べる環境をいつでもつくっておくことが重要ではないでしょうか。
(インタビュアー・構成/カネコアキラ)

水無田気流(みなした・きりう)
1970年生まれ。詩人・社会学者。詩集に『音速平和』(中原中也賞)、『Z境』(晩翠賞)。評論に『黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望』(光文社新書)、『無頼化した女たち』(亜紀書房)、『シングルマザーの貧困』(光文社新書)。本名・田中理恵子名義で『平成幸福論ノート』(光文社新書)など。

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