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都営バスで最も古い営業所である巣鴨営業所大塚支所(大塚車庫)が開設78年目を迎えた今年、巣鴨営業所へ統合により廃止される。そのさよならイベントとして半日だけ所内が公開されたので訪れた。
大塚支所は昭和3年に東京市電の車庫であった当地に大塚営業所として誕生し、曲折を経て現在は巣鴨営業所の大塚支所として2路線を担当するだけになっている。廃止後の路線は巣鴨営業所が引き継ぐことになっているが、当時の建物や格納庫がそのまま使用されており歴史的価値も高いことから大勢のファンが集まった。
その大塚支所が担当する都営バス「都02」系統に乗車して大塚車庫前を目指した。この路線は錦糸町駅前から大塚駅前を結ぶ幹線路線である。
大塚支所に到着した時には小雨が降っていてかなり寒かったが、路線バスが出入りする営業中の車庫だけに、警備員を配置して公開していた。
イベント会場であることを示す看板が掲げられていたが、記念撮影を行う家族連れやファンでいっぱいだった。
大塚支所の入り口から長蛇の列で人気の高さがうかがえる。
大塚支所の表札看板はかなりの年代物で、歴史の古さを感じさせる。この看板は今月29日をもって降ろされることになる。
中に入ってみると、格納庫の展示スペース、部品の販売スペース、グッズの販売スペースが所狭しと並び、営業中の車庫でのイベントを開催するのに苦労した跡がうかがえる。
写真撮影する人、家族連れで普段乗っているバスを観察する人、グッズを買いに走る人、様々だ。
今回の目玉は「幕車」と呼ばれる車両展示だ。現在の主流は車両前方、側面、後方の行先方向幕がLEDの車両だが、フィルムにスクリーントーン印刷を施してドラムで巻き上げる本物の幕を使用した車両がわずかながら存在する。その幕車を集めて展示しているのだ。
もちろん、現役の車両ではあるがこれだけ幕車がそろうとファン垂ぜんの圧巻な光景が広がる。
現在は廃止路線となった都02急行の方向幕。通常は見ることができない。
東京ビッグサイトで大規模イベントが開催される時に運行される臨時急行の「国展01」系統。ほぼすべての営業所からバスが動員され運行される。
この方向幕もLED化に伴い見る機会は少なくなってしまったようだ。
バスの点検整備を行う格納庫。乗用車用とはけた違いの大きさだ。
格納庫の中から。ファンがひっきりなしに訪れては写真撮影をしていく。
市電、都電時代から存在する当所を懐かしむかのように老夫婦がゆっくり歩きながら建物を眺めていたのが印象的な公開イベントだった。…