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ここ数年、カバーアルバムを出すアーティストがたくさんいます。そして、これがきっかけでもっと大きな道へと進んでいく人たちもいるようです。
しかし、そうなれるのは単に誰かの歌を足掛かりにするのではなく、「曲や歌詞を読み取り、きちんと解釈したうえで、自分のものにして歌う」という作業を経ていればこそ。もしかしたら、自身の曲を歌うより難しいことかもしれません。
■清志郎にも劣らない『スローバラード』
先日、映画『味園ユニバース』の主演でも話題になった関ジャニ∞のメインボーカリスト、渋谷すばるさんのソロライブ『渋谷すばる LIVE TOUR 2015』最終日に行ってきました。渋谷さんもこのライブでほかのアーティストのカバーを2曲披露。1曲はジャニーズの先輩、近藤真彦さんの『愚か者』。そしてもう1曲は、RCサクセションの代表曲のひとつ『スローバラード』でした。
市営グラウンドの駐車場に車を止め、毛布にくるまって眠る恋人。そんなふたりの耳に入ってきたのは、カーラジオから流れるスローバラード。そのときのふたりには悪い予感のかけらもなかった…。故・忌野清志郎さんが当時の彼女と一緒に作ったとも言われているこの曲を、渋谷さんは自らのソロライブで清志郎さんにも負けないほど胸を打つものに昇華させていました。
■歌を伝えるために必要なのは「ひとりで考えること」
最初に渋谷さんの『スローバラード』を聴いたのは、まだレギュラー番組になる前、2013年10月にスペシャルとして放送された『The Covers』(NHK-BSプレミアム)。
番組で彼は「この曲は歌詞の情景が浮かんでくる」と語り、さらに「ひとりで家にいて、いろんなことを考える時間がどうしても僕には必要。でも、そういう中で気づいたりひらめいたりするし、そういうことがあることで曲を歌う時の表現でも(観客に)伝わるものが違うのかなと」と話していました。
『スローバラード』を歌う時にもいろいろなことをひとりでじっと考え、それで感じた渋谷さんなりの『スローバラード』を番組で放出させたのだと思います。
■「渋谷すばる」を知らない人の心もつかんだ圧倒的な声
それから約1年後、昨年秋にソロで出演したライブイベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル2014」でも、渋谷さんは関ジャニ∞の曲などに加えて『スローバラード』を熱唱。生で聴く「渋谷すばるの『スローバラード』」はテレビで見た時よりも切なく、サビではその独特の声と声量を活かし、見る人を圧倒していました。
そのイベントにはさまざまなアーティストが出演し、それぞれのファンが集まっていたのですが、「関ジャニ∞」と聞いて、「アイドルの歌なんて…」と休憩タイムに入ろうとした人を思わず立ち止まらせた、という話も聞きました。
そして今回のソロライブ。2度目の生の『スローバラード』は立ち見だったため、渋谷さんの姿はほぼ見えませんでしたが、「歌の想い」は十分伝わりました。そしてまたホロッとしました。
■アンコールにはあの『ピアノマン』を熱唱
かつてRCのライブを見ていた私としては、カリスマ的存在の忌野清志郎の曲をカバーするのは勇気のいることという気がします。しかし現在33歳で、RCのライブを生で見たことがないであろう渋谷さんだからこそ、真っ白な状態から自分の『スローバラード』の世界を作り上げ、歌うことができたのかもしれません。
なお、この日は他にもデビューシングル『記憶』の中の4曲や関ジャニ∞の曲、さらにはアンコールで『ピアノマン』を歌い、「sing us a song, I’m 関ジャニ∞/sing us a song forエイター(関ジャニ∞のファンのこと)」と歌詞を変え、集まった大勢のファンを最後まで興奮させました。
ちなみに、『記憶』には『乗っかりトレイン』という曲が入っていますが、これはRCの『雨上がりの夜空に』へのオマージュと確信しています。