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いよいよ明日(3月15日)からオーストラリアのメルボルンで開幕する2015F1世界選手権。
【写真】最悪な復帰スタート?のマクラーレン・ホンダ
今年はホンダが7年ぶりにF1へと復帰! しかも80年代後半から90年代初頭にかけてF1を席巻した、あのマクラーレン・ホンダとしての参戦とあって、大きな期待と注目を集めている。
そこで週プレは、例によってF1界のトリックスター、元F1ドライバー(汗)のタキ・イノウエこと井上隆智穂(たかちほ)氏を解説者に迎え、今シーズンのF1を徹底予想。
このために?モナコから緊急帰国したタキさんが斬りまくる、超辛口の激汗F1プレビュー、スタート!
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―タキさん、まずはなんといっても注目のマクラーレン・ホンダからお願いします。今季、開幕前のテストでは肝心のパワーユニット(1.6リッター・ターボエンジンにエネルギー回生システムと電気モーターを組み合わせたハイブリッドエンジン)にトラブルが続発し、マトモなテストがほとんどできないまま開幕戦を迎えるという、キビシイ状況のようですが…。
タキ しかも、スペインのカタロニアサーキットで行なわれた2度目のテストでは、フェラーリから今季マクラーレンに移籍したフェルナンド・アロンソが最終日にクラッシュして意識を失い、ヘリコプターで病院に搬送されるというオマケ付きです(汗)。
「脳震盪(しんとう)だけでアロンソにケガはない」というチーム側の公式発表にもかかわらず、3日間入院し、その後のテストもすべて欠席。それどころか開幕戦の欠場も決まり、代わりにケビン・マグヌッセンが出場するという、文字どおり「最悪の状況」ですね。
―アロンソの事故原因について、チームは「突風にあおられた」と発表していますが、事故原因やアロンソの容体に関してはいろいろな疑念や臆測が出ていますよね?
タキ 竜巻ならともかく(汗)、あの名手アロンソと最高水準の空力性能を持つマクラーレンのマシンが「突風」程度で事故を起こすとは…。それにケガもなく3週間 も前の脳震盪で欠場というのも…。そもそも、テストでの事故でFIA(国際自動車連盟)が調査に乗り出すというのも、マクラーレンのいう「普通の事故」で はあり得ません。
―マクラーレン側は強く否定していますが、一部ではハイブリッドシステムからの漏電による「アロンソ感電ショック説」まで流れています。
タキ シビレますねぇ…。それが事実なら世界初の「F1電気椅子」。絶対に乗りたくありません(冷汗)。
感電説の真偽はともかく、ホンダ側のトラブルが原因で3回のテストの走行距離はライバルの3分の1以下。背水の陣で臨んだ最終テストでもちゃんと走れたのは4日間のうち1日だけで、あとはオイル漏れやセンサーの問題が頻発してボロボロでした…。
―それでも「パワーユニットのシステムはすべてうまく機能しています」(新井康久ホンダF1プロジェクト総責任者)と、ホンダは強気のコメントです。その理由は?
タキ さあ、なぜでしょーね。「システムはすべてうまく機能している」ってコトは、わざとオイル漏れする設計なのかもしれません(汗)。
―一方のマクラーレンは「開幕前までに十分な準備ができておらず、5月のヨーロッパラウンド頃までは厳しい」と、強気どころか白旗を上げているようです。
タキ 彼らはとっくに今シーズンを捨てているでしょう。ただし、最悪の結果に見えるテストの内容をよく見ると、ポジティブな要素も少なくない。
確かに、パワーユニットの信頼耐久性不足でまともに走れていないのは大問題です。しかし、ごくまれにトラブルなく走れたときにはそれなりの速さもあるようですし、少なくともマシンの基本的な性能に関しては去年よりも大幅に良くなったとジェンソン・バトンは言っています。
―聞くところによると、マクラーレンがホンダに要求したパワーユニットの仕様は、寸法的にも最高出力やパワー特性の点でも、メチャクチャに攻めた厳しいモノだったらしいですね。その超難しい「宿題」をクリアするために、ホンダのエンジン開発部門も苦労したんだとか。
タキ アグレッシブなエンジンだからこそ、これだけ信頼性の問題で苦戦しているとも言えますね。別の見方をすれば、その「攻めた設計」が今年のマクラーレンの改善につながり、また未来の勝利につながる道なのかもしれません。当然、マクラーレン側もある程度の初期トラブルは覚悟の上だったと思いますが、残念ながら開幕前テストではその予想を超えてしまったということでしょう。
―なるほど…。
タキ それでも、マクラーレンはF1での「勝ち方」を知る一流のチームです。その彼らがホンダに「超アグレッシブな技術的要求」を突きつけたのは100%正しい。
今後もマクラーレンはレーシングディレクターのエリック・ブーリエを先頭に、徹底的に厳しくホンダを責め続け、ホンダはそのムチの痛みに悲鳴を上げるのです。そして、悶え苦しみながらマクラーレンに「調教」されることで、一流の「M奴隷」へと成長してゆくのです。
そうすれば今は醜い叫び声も、やがては歓(よろこ)びに満ちた「艶っぽい喘(あえ)ぎ声」、すなわち真のホンダサウンドへと変わり、ホンダの「H」マークが「M」に見え始めた頃、マクラーレン・ホンダはいよいよその実力を発揮するでしょう。
ホンダがマクラーレンのM奴隷として素直に調教を受け続けるなら、おそらく今シーズンの中盤以降、少しずつ結果が出始めるとタキ・イノウエは確信しております(汗)。
■明日配信予定の後編では、気になるチャンピオン争いを大予想!
■タキ・イノウエ
日本人としては片山右京に次ぐ4人目のF1ドライバーなのに、いなかったことにされがちなタキ・イノウエこと井上隆智穂氏。歯に衣着せぬ語り口でF1裏事情を次々に暴露している
(インタビュー・構成/川喜田 研 撮影/桜井淳雄)
■ 『週刊プレイボーイ』12号「タキ・イノウエの2015F1激汗プレビュー」より