先月、ジャニーズ事務所副社長のメリー喜多川氏が、同事務所の派閥・後継者問題について語ったことが世間を賑わせたが、一連の報道によりメリー氏には「ジャニーズの女帝」「恐ろしい女傑」というイメージが定着してしまった格好となった。
しかし、同事務所でマネジャーとして働いていたことがあり、現在は有名企業で役員秘書を務めている藤氏(仮名)は、「今の私があるのは、ジャニーズ事務所で培った経験のおかげです。特にメリーさんの教えから学んだことは大きい」とメリー氏を擁護する。
ジャニーズ事務所は、社長のジャニー喜多川氏が所属タレントたちの“お母さん的”なポジションだといわれているが、メリー氏は“お父さん的”存在に加えて、“頼れるおばあちゃん”的な面も持ち合わせているという。
「タレントたちはメリーさんのことを、『マミー!』と親しみを込めて呼んで、とても慕っています。とにかく懐が深く面倒見がいい。『全員がうちの子よ!』と、どのタレントもえこひいきすることなく、『美味しいもの食べに行きましょう!』と幅広く声をかけて食事やカラオケに誘います。メリーさん本人も否定していましたが、内部から見ても『事務所内派閥』といわれているような明確なものはありません」(加藤氏)
齢88歳の今でも、メリー氏はタレントたちを従えて夜の街を闊歩しているという。
「一連の報道では、メリーさんがSMAPのチーフマネージャーである飯島三智さんを叱りつける場面がクローズアップされていましたが、現場ではしょっちゅう。例えば、イケイケ体質の飯島氏が、SMAPの出演番組をダブルブッキングしてしまったことがあった。激怒しているテレビ局に出向いて、頭を下げるのはメリーさんの役目でした。だから飯島さんを一方的に叱っているわけでなく、愛情が根底にあるし、教育のためなんです」(同)
数々のスタッフやタレントの尻拭いは、メリー氏が買って出ているというのだ。さらに加藤氏は続ける。
「あるコンサート会場での出来事ですが、ダフ屋と自称する、見た目は暴力団員っぽい男が、スタッフに因縁を付けにやってきたんです。たまたま楽屋にいたメリーさんが連絡を受け、『あんた、どこの組なの?』と仲裁に入り、追い返して事なきを得ました」
●メリーの愛情深い気配り
そして加藤氏が特に印象に残っているのは、所属タレントやスタッフに対する彼女の気配りだったという。
「私が担当しているタレントが、気難しいことで知られる大物女優とドラマで共演することになったんです。メリーさんに呼び出されて部屋に行くと、テーブルの上にエルメスの大きな袋がデンっと置かれていた。メリーさんは、『あなたと○○(ジャニーズ・タレント)がいじめられないために、これを女優さんに渡しなさい』って言うじゃないですか。明らかに何百万円もする高級バッグ。『僕たちを守るために、そこまでするのか』って感激しました」(同) さらにタレントへの愛情あふれるエピソードも。
「ある時、僕が担当しているタレントのスケジュール表をメリーさんが目にしたのです。パンパンに仕事が入ってたので、テレビ局から撮影現場への移動がわずか20分でギリギリなんてケースも頻繁にありました。それに対してメリーさんは、『この時間の管理はなんなの? こんなに短い移動時間じゃ、タレントは次の仕事の頭の切り替えができないじゃない。もっと余裕を持たせてスケジュールを組んでちょうだい。タレントはモノじゃない、人間なのよ!』と叱られました。ああ、この人はちゃんとタレントを見ているんだな、心の大きい人なんだなと、胸を打たれました」(同)
●次期社長は決定済み
たびたび取り沙汰される、ジャニー氏の後継者問題についてはどうか。飯島氏、メリー氏の実娘の藤島ジュリー景子氏、さらには東山紀之や近藤真彦の名前が次期社長候補としてしばしば挙げられる。
「東山さんと近藤さんの可能性はまずないでしょう。周りで話題づくりのためにアレコレ言うだけで、本人たちも『自分はあくまでタレント業しかやってきてない。だから経営に携ることは無理』と言ってます。飯島さんにしても、しょせんは現場上がりでSMAPや他の担当タレントの営業戦略しか頭にない。メリーさんのように、全体を掌握しながら常に気を配り会社を経営していくような器ではありません」(同)
加藤氏は、次期社長はジュリー氏に決定済みと断言する。
「ジュリーさんは単なる二代目でなく、子役として芸能界にデビューして、連続テレビドラマ『3年B組 金八先生』(TBS系)にも出演していていた。制作現場の様子やキャスティングの内情にも精通しています。その後、アメリカ留学やテレビ局勤務などを経て、将来ジャニーズ事務所をしょって立つ帝王学を学んだ。飯島さんに取り入るテレビマンたちが、『飯島さんがジュリーに一歩リード』と持ち上げているだけで、飯島さんの勝ち目はありませんよ」
メリー氏・ジュリー氏母娘が健在な限り、当分はジャニーズ事務所の繁栄は安泰といえるのかもしれない。
(文=編集部)