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視聴率低迷のフジテレビが、4月から“生放送”の音楽番組『水曜歌謡祭』をスタートする。時間帯は水曜夜8時で、レギュラー番組として生放送の音楽番組は21年ぶりで、フジの番組改編の目玉の一つだ。
そこで、MCに大抜擢されたのは、森高千里(45)だった。アンジャッシュ・渡部建(42)とのダブルMCで、そのギャラは1本100万円と高額。現在メディア露出がそれほど多くないタレントに対して破格の金額だが、それもそのはず、この人事はフジ亀山千広社長(58)の“一本釣り”だったと3月16日発売の「FLASH」(光文社)が明らかにした。亀山社長の森高に対する期待は、相当なものだ。
●過去の人を多用する亀山采配
ここ数年、視聴率で苦戦が続くフジテレビ。その立て直しのため2013年5月、社長に就任した亀山氏。就任後は『笑っていいとも!』の打ち切りを断行したことでも話題となった。
しかし、あと番組の『バイキング』は視聴率で思ったような結果を残していない。そして、改革策として出たのは、現在日替わりのMCを坂上忍(47)で固定するものだった。
さらに、2014年10月から始まった『ヨルタモリ』では、タモリ(67)とともに、宮沢りえ(41)を起用し、この番組を亀山社長は絶賛している。
●世界の亀山からリサイクル工場に
森高千里、坂上忍、宮沢りえは、亀山社長が現場で活躍していた時代に活躍していた人材だ。そういった人を多用していく人事には、亀山社長の成功体験があると、フジテレビ関係者はいう。
「現場時代の亀山社長は、金にものをいわせた強引な宣伝戦略でヒット作を生み出す手法が、『世界の亀山』と揶揄されていました。もちろん、そのヒットが今の地位を築いたのですが、社長就任後、その戦略に変化が出てきています。『HERO』『ナースのお仕事』『ショムニ』『救命病棟24時』『医龍』などフジのヒットコンテンツをリサイクルする手法に変わっています。まるで、かつての成功体験を今に呼び込もうとしているよう」
「世界の亀山」が社長就任後は、「リサイクル工場」に変わってしまったようだ。果たしてそれがフジテレビの再生に結びつくかといわれると、少々疑問が残る。
(取材・文/タナカアツシ)