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最近、給料調査サイトのGlassdoorが発表した「インターンの月給」で、最も高給だったのがパロアルトにあるベンチャーのPalantir。平均して7444ドル(約75万円)の月給をインターンに払っているそうです。
Palantirは2004年に創業されたベンチャーで、ビッグデータを解析するデータ・マイニングが事業。大成功したPaypalというオンラインペイメント企業の出身者たちによって設立されました。
創業から10年経(た)った現在では、パロアルトのダウンタウンに行くと、一般店舗に交じってあちこちに「Palantir」と書かれた小さなオフィスがあります。こうした商業地の小規模オフィスは、大きくて豪華なつくりの専用オフィスビルより賃料単価が高く、そこにいくつもオフィスを持っているということは相当に潤沢な資金を持っている証しでもあります。
では、なんでもうけているのか。「ビッグデータをマイニング」といっても具体的に何のことやら、という感じですが、Palantirの大元の業務はスパイ機関向けの情報探索です。創立初期に、CIAが運営するベンチャーキャピタル、In-Q-Telから200万ドルの投資を受けたことでその運命が決まりました。In-Q-Telは投資先と各種政府機関との橋渡しをすることでも知られますが、PalantirもIn-Q-Telの仲介により、CIAと共同でデータ・マイニングのソフトウェア開発に3年間従事しています。
その後CIA以外の各種政府機関にも利用されるようになり、海兵隊によるアフガニスタンでの地雷発見、ウサマ・ビンラーディンの居場所探索、メキシコの麻薬カルテルのメンバー洗い出しといった「特殊任務」でPalantirが活躍していることが漏れ聞かれるようになりました。
さらに最近では、政府系で得られた知見を基に民間の金融機関にも市場を広げており、2014年には10億ドル(約1000億円)の契約を受注すると予測されています。資金調達の方も、2013年には1億9600万ドル、2014年2月には3億9000万ドルの増資をしており、まさにメガベンチャー。
しかしながら良いイメージばかりではなく、最近話題の「国民情報の盗み見」にもPalantirが利用されていると考えられており、「プライバシー侵害」の推進者として疑惑の目でも見られています。そのせいもあって殺人予告の脅迫状を受けることもあるCEOには24時間ボディガードが付いているとか。
ちなみに、社名はトールキンの「指輪物語」に登場する「見る石」の名前で「遠くから見張るもの」を意味しています。見張られる側の心情としては微妙ですが、なかなかに言い得て妙な命名と言えましょう。