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パナソニックは11日、傘下の三洋電機の子会社「三洋テクノソリューションズ鳥取」(鳥取市)の全株式を投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(東京)に3月末に売却すると発表した。
三洋は2009年のパナソニック傘下入り以降、事業の縮小が進み、三洋テクノが最後の直轄事業だった。今回の売却で三洋の事業整理に区切りがつき、多くのヒット商品を生んだ三洋は事実上、消滅する。
売却額は明らかにしていない。三洋テクノは1966年に三洋が設立した家電製造子会社が前身で、二つ折りの携帯電話が全盛だった03年にストレートタイプの「インフォバー」を製造したほか、10年にはコメでパンを作れるパン焼き器「ゴパン」などのヒット商品を手がけた。
パナソニックは売却理由について「三洋テクノの技術を生かすには独立したパートナーのもとで運営するのが望ましい」としている。従業員約220人の雇用は維持される見通しだ。
パナソニックは経営危機に陥った三洋電機に対し、09年に株式の50%超を取得し、11年に完全子会社化した。総投資額は約8000億円に上った。
最盛期に売上高が約2・5兆円あった三洋の事業のうち、太陽光パネルや蓄電池などを吸収してパナソニックブランドに統一する一方、白物家電やデジタルカメラなどの重複事業や資産の売却を進めた。今年2月には大阪府守口市の三洋本社ビルを同市に譲渡した。
09年当時に約8万6000人いた三洋社員も早期退職などで約7000人に減っており、今年4月に全員がパナソニックに転籍する予定だ。
三洋電機は当面、法人格が残り、製品のアフターサービスなどを続ける。
(升田祥太朗)