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マイクロソフト共同創業者で資産家として知られるポール・アレン氏が、旧日本海軍の戦艦「武蔵」を発見したとして大きな話題になっています。アレン氏は、「武蔵」探索以外にも、様々な事業に資金を投じているのですが、特に有名なのが、地球外生命体の探索事業です。
[写真]地球外生命体へのメッセージを搭載したボイジャー1号(写真:ロイター/アフロ)
アレン氏は、米国カリフォルニア州にある地球外生命体の発見を目的とした組織である「SETI協会」に多額の寄付を行っています。同協会は、地球外生命体からの電波信号をキャッチしようという壮大な目的で作られたもので、設立には、元コーネル大学教授で、NASA(米航空宇宙局)の惑星探査プロジェクトの指導者でもあった故カール・セーガン博士らが尽力しています。
セーガン氏は1980年代に大人気となったサイエンス番組「COSMOS」を制作したことや、ジョディー・フォスター主演のSF映画「コンタクト」の原作者として知られています。中高年世代の人の中には、子供の頃、夢中になって番組を見た人もいるかもしれません。SETI協会は、アレン氏からの寄付をもとに、同氏の名を冠した電波望遠鏡をカリフォルニア大学バークレー校と共同で運営し、宇宙人からの電波を探しています。
何とも壮大な話ですが、一部の科学者はかなり真剣です。1960年代には、米国の国立電波天文台で「オズマ計画」と呼ばれる探査事業が行われたことがありますし、1977年にNASAが打ち上げた探査機ボイジャーには、遠い将来、地球外生命体が探査機と遭遇する可能性を考慮に入れ、地球上の様々な音楽や地球の写真などを収録した銅板製レコードが搭載されました。
戦艦「武蔵」を発見したポール・アレン氏(ロイター/AFLO)
しかし、こうした動きに対して懐疑的な科学者も少なくありません。英国の著名な天体物理学者スティーヴン・ホーキング博士は、悪意を持った地球外生命体に遭遇するリスクがあることを考えると、むやみに探査する必要はないと主張しています。また、こうした事業は公的な資金に頼ることも多いのですが、限られた予算の中、どれだけの成果が得られるか分からない事業に資金を投じることについては、そう簡単に理解を得られるものではありません。
ただ、地球以外の惑星に生命が存在する可能性そのものについては多くの科学者が肯定的に考えており、NASAも地球外生命体は存在する可能性があるという前提でプロジェクトを進めているようです。
しかし、これまでのところ、地球外生命体の痕跡を発見した事例はありません。さらに電波信号の受信ということになると、高度な知的生命体が存在する必要があるわけですが、無限大の広さがある宇宙で、地球人がそれを受信できる確率は極めて小さいと考えられます。プロジェクトの維持には莫大な費用がかかりますが、やはりアレン氏のような「奇特な」億万長者の支援がなければ続けることは難しいようです。
(The Capital Tribune Japan)
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