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文=青山知雄
ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督の下、日本代表が2018年のロシア・ワールドカップに向けて大分市内で新たなスタートを切った。
所属クラブの試合で合流が間に合わなかった岡崎慎司(マインツ/ドイツ)と川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)、同日に代表辞退が発表になった長友佑都(インテル/イタリア)を除く28名で始動。チームは17時半頃に練習場に到着すると、短いミーティングを経てグラウンドへ。その後、全員一丸となって前へ進むことを意識させたかったのか、指揮官の意向で選手やコーチングスタッフだけでなく、霜田正浩技術委員長らも加わってランニングを開始。約25分をかけてグラウンドを11周した。先頭を切って走っていた監督は徐々に集団から離れて周回遅れになったが、最後に巻き返して1周遅れながらチームとともにフィニッシュ。この頑張りには場内のファンからも歓声が上がっていた。
そこからハリルホジッチ監督を中心とした輪になり、本格的な練習がスタート……と思いきや、「今日のテーマはあくまで回復トレーニング」(霜田技術委員長)という理由で、簡単に切り上げて素早く宿舎へ。前日に明治安田生命J1リーグが行われ、さらにヨーロッパから帰国したばかりの海外組のコンディションを考慮したメニューとなった。
練習後、取材に答えた霜田技術委員長は「監督は選手たちに『たくさんのメッセージを伝える』と言っています。ただ、まだ合流していない選手もいますから、今日はあいさつ程度。全体、グループ、個別……。このあともやりますが、ミーティングは増えそうですね。伝えたいことは山ほどあるので」と話し、様々なシチュエーションで深くコミュニケーションを取っていくことを示唆した。
先の日本代表メンバー発表会見で「戦術的な練習をする際には、申し訳ないが非公開にさせてもらいたい」と話していたハリルホジッチ監督。27日に行われる初戦、そして6月に差し迫ったワールドカップ予選まで時間がないこともあってか、同時に「戦術的な練習を増やしたい」とも話していた。霜田技術委員長は24日の練習がいきなり非公開になることを明かしている。
徐々に走り始めたハリルJAPAN。初日は「ハシルJAPAN」のまま終えたが、全員が揃う24日からはいよいよロシアに向けた歩みを本格的にスタートさせる。ハリルホジッチ監督が「伝えたいことは山ほどある」という頭脳が、いよいよ選手たちに伝授されていく。