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新関脇で白星を積み重ねる照ノ富士が大関・琴奨菊に土俵際からの逆転勝ち。大相撲春場所(大阪市ボディメーカーコロシアム)10日目の17日。無敗の白鵬に独走を許さず、終盤に向けても勢いは落ちない。
狙ったのは、あえて大関が得意とする左差し。右差しを警戒されると予想し、「(照ノ富士から見て)左があくと思った」。
出足を止める張り手は不発だったが、狙い通りに左を差した。照ノ富士は「(左が)入った瞬間、じっくりいこうと思った」。押し込まれても左下手からまわしを引いて懸命に残すと、たまらず相手がはたいてくるところを押し出した。
発奮材料もあった。2敗に後退した同部屋の安美錦が右膝を痛めて病院に直行した。兄弟子のピンチに「気合が入った」と、強い気持ちで土俵に上がったことを明かした。
番付順なら無敗の横綱・白鵬と当たるはずだった11日目での対戦は、12日目以降に先送りになった。取組を決める審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱・旭富士)は「番付で決めるものでもない」と優勝争いの盛り上げを優先した。「でも、ここまで来たら、ついていってほしいね」と、照ノ富士の師匠としての顔に戻る。
「いつでもいいよ」とは照ノ富士。「打倒・白鵬」の期待は、徐々に高まる。【村社拓信】