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文=座間健司
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦セカンドレグ、マンチェスター・C戦は「6-1で勝ってもおかしくなかった」と普段は悲観的な僕の友人のクレが言うほどの内容だった。結果は1-0で、なおかつマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンがPKをセーブしなければ、同点にされていたが、それでもバックスタンドの2階席にシートを持つ友人のクレのようにカンプ・ノウに集まったソシオはチームのパフォーマンスに満足していた。
「メッシはグレートだったね」
そう話を向けると、友人のクレはこう返答した。
「『メッシ! メッシ! メッシ!』と僕は叫ぶ人間ではないけど、メッシは世界最高の選手だ。昨夜のゲームはチームではなく、メッシ1人がプレーしていた。テレビゲームの中にいるような選手だ。彼のようなプレーは今までも、これからも多分誰もできないだろう。史上最高だ」
サッカー史上最高の選手を抱えるバルセロナだが、その反面、彼はこんな不安を口にしていた。
「ただメッシにあまりにも依存している気がする。ネイマールを見ればわかるけど、ボールを持つと、とにかくまずメッシを探している」
世界最高の選手がチームにいれば、おのずと周囲はその才能を十分に活かそうと考える。バルセロナならば、周囲はアルゼンチン代表の10番を探す。レアル・マドリードならば、周囲はポルトガル代表の7番を走らせようとする。当然だ。彼らのタレントを最大限発揮させることが、勝利への近道だからだ。とはいえ、メッシも人間だ。好調な時もあれば、低調な時もある。彼のパフォーマンスが低下した時にバルセロナはどうするのか。友人のクレはあまりにも10番に依存している今のチームに不安を覚えているようだった。チームが絶好調であろうと、やはりどこか悲観的なのだ。
迫った“エル・クラシコ”について、話を向けると「あのゲームはひとつの退場、ひとつのPKで全てが変わる。何が起こるかわからない」という返答だった。1992年に“聖地”ウェンブリー・スタジアムで、バルセロナが欧州王者に輝いた時にその場にいたクレはこれまでの経験から「“エル・クラシコ”では何が起きてもおかしくなく、予想するだけ無駄」と悟っている。
マンチェスター・C戦のもうひとつの話題と言えば、ジョゼップ・グアルディオラの観戦だ。バルセロナを退団して以来、初めてバルセロナのゲームをカンプ・ノウで観戦した。バルセロナを“歴史上最高のチーム”と評されるほどのチームにしたかつての指揮官はメッシの股抜きに両手で顔を隠し、感嘆するほど、1人の観客としてゲームを楽しんでいた。…