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「朝活」の効果が叫ばれて久しい。「ニューヨークのエリートは例外なく朝型である」とか「早朝からジムで数キロ泳ぐ」とか、あるいは「世界のCEOたちの社交は今や朝食、”パワーブレックファースト”だ」などと聞くと、毎朝、体の疲れも頭のモヤモヤもいまひとつ抜けずにいる自分を卑下したりする人もあるだろう。
実際、早朝から泳ぐなどの全身運動をして大きな筋肉を動かすことにより、脳は活発化し、特に記憶をつかさどる海馬は血流がよくなる。すなわち記憶力が上がる。早朝の公園を散歩したり、通勤の一駅分をウォーキングしたりして朝の光を全身に浴びれば、セロトニンが効果的に分泌されて体調も気分も整う。太陽のリズムにのっとった朝型生活にシフトすることは、まさによいことずくめだ。
しかし現在、「仕事のある日に『朝活』をおこなっていますか?」という問いに、「おこなっている」と答えた人は7.2%にとどまるというデータがある(朝日大学マーケティング研究所調べ。対象は首都圏に住む20代~50代の男女ビジネスパーソン)。「これまでにおこなったことはないが、今後何かやろうと思っている」という関心層が19.4%いるものの、「過去におこなっていたが今はおこなっていない」という断念層が4.4%、「これまでも将来もおこなおうと思っていない」という無関心層が69%と、朝食産業や朝の消費動向などで話題にされているほどには、「朝活」を実践し継続している人の数は決して多くはないことが明らかになった。
”午後活”でも工夫しだいで仕事ははかどる
朝活を「始められない」「やってみたが継続できない」ことの”障害”としては、早起きがつらい・寒い・面倒・疲れるなどしごくもっともな理由が挙げられているが、「早起きに対する感じ方や、体内リズムにも個人差があって当然」というのは精神科医・医学博士の西多昌規氏。
「朝、体がつらくて、頭もどんよりしたまま会社に向かっているときに、『おはよう!』と大きな声をかけられて、返ってこっちはグッタリしてしまう……などということもあるでしょう。朝活に励んで、朝からエネルギッシュな人ももちろんいるでしょうけれど、自分は自分です。人と比べる必要はありません。”朝活”が無理なら、”午後活”でいいのです。ペースのあがらない午前中には、頭を酷使しようと無理せず、単純な作業にあてるなど工夫します。午後なら午後に、能力を最大限発揮できるよう調整するなど、自分のペースに意識的になることで、仕事の効率は十分に上がります」
朝活そのものに特別に時間を割かなくてもいい。…