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英語学習の世界には、さまざまな“勉強法”が溢れている。脳科学の観点から、どれが本当に効率的な学習法かを考えてみよう。
■優れた日本語感覚が上達を遅らせる
単語や文法は、単語帳や参考書で読んでインプット。長文を読んでわからない単語が出てくれば、すかさず電子辞書でチェック。苦手なリスニングは、海外のニュース番組を見て英語をシャワーのように浴びて耳を慣れさせる――。
このようなスタイルで勉強している人がいるとしたら要注意。これらの勉強法は、脳科学の観点から見て効果的なやり方とはいえないからだ。
「人間の本能である言語は、脳から説明がつきます」
と教えてくれたのは、東京大学大学院総合文化研究科の酒井邦嘉教授だ。
「たとえば日本人が英語をうまく話せないのは、脳が日本語にチューニングされているからです。その脳で英語を聴けば日本語のように聴こえるし、英語を話すときは日本語のように話してしまう。英語が上達しないのは、センスがないからではなく、むしろ優れた日本語感覚を持っているからなのです」
ただ、一度、日本語にチューンナップされたからといって、他の言語に対応できないわけではない。
「脳は複数の言語に対応できる柔軟性を持っています。たとえばヨーロッパのように多言語の地域で育てば、子どもは自然にバイリンガルになる。要は学習しだいです」
では、どのような学習をすると新たに英語脳をつくれるのだろうか。
まずは単語の学習について。電車の中で単語帳をめくりながら、覚えているかどうかを頭の中でチェックしている人をよく見かけるが、このやり方ではかえって忘れやすい。
「脳に何かを記憶させるには、できるだけ手がかりが多いほうがよいのです。単語を覚えるよりも文全体を丸ごと覚え、音で聴いたり、声に出したり、あるいは手で書くなどして、さまざまな形でインプットしたほうが脳への定着がよくなり、記憶を引き出すときも容易になります」
記憶を定着させるためには、ツールも慎重に選択したい。最近は持ち運びに便利な電子辞書やスマホアプリを使う人が増えてきた。しかし脳科学の観点からは、紙の辞書も持っておいたほうがいい。
理由は2つある。一つは、前述の“手がかり”が増えるからだ。紙の辞書で引けば、「この辞書の真ん中あたりのページの右上にあった」という物理的な位置情報が記憶され、それが思い出すための“手がかり”になる。線を引けば、その動作も手がかりの一つになる。…