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都内在住・勤務の救急医、Sです。
「穴があったら入りたい」。みなさんご存知の通り、あまりにも恥ずかしい時に使う言葉ですね。しかし、救急医という職業柄、「恥ずかしいから入りたい」というよりも、「入ってしまったから恥ずかしい」という場面に遭遇することがしばしばあります。今回はそんな、人が持つ“穴”についてのお話を。
■異物と救急医
人間がもつ穴は、どれも臓器としてそれぞれ重要な機能があり、五感や摂取、排泄などの大切な役割を担っています。
しかし、穴があれば、本来の役割の範ちゅうからは逸脱したもの、すなわち「異物」と呼ばれる物質がそこに入ることがあり、救急外来にはそれに困ったみなさんが助けを求めて訪れます。こうして我々はさまざまな異物と出会い、一緒に困ったり、解決して喜んだり、異物の内容に驚いたりしているわけです。
■穴と異物
人間の穴々は大きくふたつのエリアに集結しています。顔、そして陰部周辺です。まず顔面には、五感を司る穴(目、耳、鼻、口など)が集まり、さまざまな情報を我々に与えてくれますが、ときに以下のような異物に困らされます。
●目:
液体・気体等の薬剤や、仕事の過程で入ってしまった金属片、さらに虫など…。ものによっては失明の危険もあり、注意が必要です。いまやオシャレや美容において女性のみなさんが重要視する“まつげ”は、大事な目を異物から守るためのセンサーと言えるでしょう。
●耳:
耳に入る異物の中で、痛く、そして最もゾッとするのは、生きた昆虫です。油やアルコールで殺虫し取り出す必要がありますが、あまり暴れると鼓膜を傷つけられることもあり、侮れません。
●鼻:
異物で困る代表的かつ魅惑的な穴と言えるでしょう。
とくに幼児や精神障害患者は、「自分の目の前の穴を調べたい」という好奇心からBB弾やビー玉、おもちゃ、食品(マメなど)、コインなどを入れてしまいます。これらが出せなくなり、そのまま時間が経つと、感染し腐った臭いや痛みを発して気づかれることもあります。
●口・喉:
食道から胃に入る誤飲は消化管を傷つけ、喉頭から気管・肺に入る誤嚥(ごえん)は肺炎・窒息の原因となります。喉は、魚骨がのどに刺さる場合が代表的です。
尖った金属片による傷やボタン電池・磁石などによる腐食など、危険度の高いものもあるので、置き場所や扱いには十分注意が必要です。
■大人の穴と大人の異物
Photo by Mark Sadowski on Flickr
さて、顔面の次に穴が多いのは陰部周辺です。…