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国内外の優れたクラフト作品を扱う「イデーショップ 日本橋店」では、イギリス人のクラフト工芸家アントニス・カーデューさんの『木の器』展が開催中です。
アントニス・カーデューさんは祖父が「バーナード・リーチ工房」出身の陶芸家という職人一家の出身。彼自身はパリで家具職人として働きながら、器や玩具などの木工作品を制作しています。カーデューさんに自身の作品についてのお話を伺いました。
温かみを感じる「木の器」
彼が木の器をつくりはじめたのは25年まえ。料理をするのと同じようにDIYで食器をつくりはじめたのがきっかけだといいます。週末は郊外で家族と過ごしながら、みずから収穫したリンゴでシードルをつくったりするスローライフを楽しんでいるのだそう。
展覧会のディスプレイに使われているお皿は、実際にカーデューさんが使用しているもので、裏に使用年数が記入されています。あえて塗装はかけず、ヒビの入ったお皿にはくさびを入れ、丁寧に直して使うのがカーデューさん流。「毎日使っているから割れたり、シミができたりしてくるけど、自然な風合いが好きだから気にならないね」とサラリ。
木の節(ふし)も作品の一部
高速で回転させた木材に刃物をあてて削りながらつくる彼の器は、薄くて自然に手に馴染むのが魅力です。カーデューさんが好んで使う木材は、リンゴの木。節が多く、硬くてあつかいにくいので通常は捨てられてしまうのですが、彼は高度な技術をもちいてリンゴの木を作品へと生まれかわらせます。たとえば、この薄くて繊細なポット。
リンゴの木のポット 12,960円
「木の節は邪魔だと言う人もいるけれど、僕は節(ふし)や木目からインスピレーションを感じるのです。どんな節もまったく問題ないよ。」と語るカーデューさん。作品には素朴さのなかに凛とした強さを感じます。
一枚一枚に木の種類を書き込みアントニスさん
フランス語の「Boite,a rien(空の箱)」12,960円
今回の来日で彼は「日本民藝館」で祖父の作品を見つけておどろいたそうです。彼の作品のなかに円柱の箱「Boite, a rien(空の箱)」がありますが、これは日本の茶筒のように実用的でありながら美しいと感じました。
海外の作家の作品でありながらどこか和を感じさせる温かな作風は、私たちの日常生活でもすぐに取り入れられる物ばかり。家族や自然を慈しむアントニスさんの話は尽きることなく、優しく温かい作品に囲まれてとても穏やかな気持ちになりました。…