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仕事が忙しくなったり、距離が離れてしまったりして会えない時間が増えると、彼との関係を続けられるか不安をおぼえてしまうもの。
そんなとき、ぜひパートナーと一緒に観ていただきたい映画を見つけました。それが3月6日(金)に公開される『妻への家路』です。物語の舞台は中国。文化大革命で引き裂かれた夫婦が20年ぶりに再会しますが、妻は心労のあまり、夫の記憶だけを失ってしまっていました。コン・リー主演の、大人の切ないラブストーリーです。
「隣人」として「夫の帰りを待つ」妻を支える夫
多くのインテリ層が強制労働所に送り込まれた、中国の文化大革命。この映画に登場するのは、その暗い歴史によって引き裂かれた家族です。妻は娘とともに、政権に反対する「右派」として捕えられた夫を待ち続けます。
それから20年後、ようやく解放された夫は妻と念願の再会を果たします。20年前と何も変わらないように見える妻。でも、彼女は夫のことが認識できません。そこで夫は、自宅の近くに部屋を借り、「隣人」としてかかわりながら、妻の記憶を取り戻そうします。
でも、彼女が反応するのは、夫が20年間書き溜めて出すことのなかった手紙を読み聞かせているときだけ。夫はそのまま「隣人」として「夫の帰りを待ち続ける」妻を支えることになります。
2人をつなぐ娘の存在
軸となっているのは夫婦の切ないラブストーリーですが、娘の存在がこの映画をさらに奥深いものにしています。
幼いころに父と別れ、紅衛兵としてバレエに専念する娘は「父が右派」という理由で舞台では希望する役がもらえません。それをきっかけに父親を憎むようになり、娘と母はぶつかり合ってしまいます。戻ってきた父親は、娘もまた時代の被害者だと理解して、母との関係を修復させようとするのです。
本当の愛は見返りを求めないもの
監督のチャン・イーモウは、自身も文化大革命で実際につらい経験をしたひとり。この作品は安易にハッピーな展開にはならず、観終わったあと、大きなテーマを投げかけられるような気がしました。それは、国家に翻弄され理不尽な経験をした彼の強い思いがあるからなのかもしれません。
主演のコン・リーは、この映画では持ち前の華やかさや色気を抑え、老け顔メイクに挑戦していますが、それでもその美しさはかげりません。いつも静かでおだやかそうに見えますが、「夫を待つこと以外に、生きる目的はない」とでも言いたげな、頑な意志を感じさせる表情が印象的でした。…