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ノンフィクションライター中村淳彦氏の著書『ルポ 中年童貞』が話題だ。本書によると、30歳以上の未婚男性のうち4人に1人が女性(セックス)を知らないという衝撃的な数字まで出ている。知れば知るほど他人事とは思えないこのテーマについて、男女関係論専門のコラムニスト・勝部元気氏と、中村氏が対談する。
勝部:中村さんの著書『ルポ 中年童貞』を興味深く読ませていただきました。中村さんが本のなかでクローズアップした部分と、私がいま、問題意識を感じているところは非常に近い気がします。
中村:ありがとうございます。「近い」というのは、具体的にどんなところですか?
勝部:私はジェンダー論やコミュニケーション論、現代社会論などを斬り口にして、主に男女関係に関する事柄を専門に言論活動をしているのですが、たとえば取材や調査でのインタビュー、講演後の交流といった場面で、10代後半~40代あたりの男女の生の声によく触れています。そうしたなかで、最近よく耳にするのは「恋愛したいと思えるような男性が減ってきている」という女性からの指摘なんです。ちょっとキツい言い方をすると、女性から見て『中年童貞』に登場するような「アウトな男性」が増えてきているということ。
中村:確かに、そうした傾向はあるのかもしれません。そもそも私が、なぜ中年童貞に興味を持ったかというと、自分が経営している介護施設の男性従業員がきっかけなんです。
だいぶ前から介護業界は失業者の受け皿になっていて、採用した従業員のうち、何人かにひとりは必ず問題児がいる。彼らは他の従業員とトラブルを起こしたり、失敗を誰かになすりつけたり、最悪なケースになると覚醒剤をしているとかストーカーになるとか、扱いにとても苦辛させられた。様々なトラブルがあるのですが人間関係になると、大抵が中年の男性が発端になっている。「どうすれば問題を解消できるだろう」と彼らの特徴を調べてみたんですね。そうしたら、その多くが童貞だったんです。
勝部:その童貞男性たちはどんなタイプの人だったんですか?
中村:とにかく会社やまわりの人に甘えようとする。実家住まいで、学歴が低いのが共通した特徴だった。あと面白いのが、私が「なんで風俗とか行かないの?」なんて尋ねると、自分なりに「風俗で童貞を捨てない僕」を正当化するような答えを全力で返してくるところ。みんな、どこか同じような特徴を備えていて、とても違和感を覚えたんです。…