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『Apple Watch』が発表され数日が経った。発売予定日の4月24日に向けて情報収集されている方も多いかと思う。技術やユーザー体験の詳細は他媒体に任せるとして、今回は時計販売に関する資格である“ウォッチコーディネーター”でもある筆者が、デザインや今後の進化について解説したい。
■ デザインにはマーク・ニューソンの影
まずは外装のデザインを見てみよう。ここには先日Appleに入社したと思われるプロダクト・デザイナーであるマーク・ニューソン氏の影が濃く見受けられる。
たとえば、丸みを帯びた角形のケース。これはマーク・ニューソン氏が過去に立ち上げた時計ブランド『IKEPOD』の影響を強く感じる。上記画像はIKEPOD社の『マナティー』(2001年発売)というモデル。角形でありながら優しい印象を持つ丸みのあるケースである。
最も印象的だったのはベルトである。ベルトと留め具が一体化している『Apple Watch』は、『IKEPOD』のデザインを強く想起させる。
ベルトの一端に切れ目を入れ、もういっぽうの端を留め具にとめ、余ったベルト部分を内側に入れることでパーツが外に出ないような工夫は、『IKEPOD』と同じといえよう。
■ 316Lとは何か
『Apple Watch』のレギュラーモデルに採用される鍛造された316Lステンレススチール。
そもそも、ステンレススチールとは“Stain(キズやヨゴレ)”が“less(より少ない)”、転じて“錆びにくく汚れにくい”金属のことである。腕時計は常に装着することが予想されるので、汗や皮脂汚れに強くなくてはならなく、このステンレススチールは有効だと考えられる。
同じステンレススチールのなかでも、炭素やケイ素、マンガンなど含有量が違うものが存在するが、『Apple Watch』に採用される316Lとは、そのなかで最も汗や体液に強いとされている。炭素量が少ないため溶接時に腐食が少なく、加工用としても優れている。
また、316Lはニッケルやコバルト、錫などの含有量が少なく、金属アレルギーを引き起こしにくい。チタンなども同じように金属アレルギーを引き起こしにくいが、加工しにくいため316Lが採用されたように思われる。こういった特色を持つ316LステンレススチールをAppleは“鍛造”で仕上げているようだ。
金属を圧縮し、プレス機で型抜きする鍛造は、金属の密度が高まりキズに強い。…