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楽天は3月19日、電子図書館プラットフォームの世界最大手、米OverDriveの買収を発表した。OverDriveの発行済み全株式を約4.1億米ドルで取得し、完全子会社化する(買収完了は2015年4月の予定)。ちなみにKoboを買収したときは約236億円だった。
「10億米ドル規模の電子書籍ビジネスの創出を目指す」――楽天が同日開催した説明会で、同社常務執行役員、Kobo CEOの相木孝仁はこのように話し、イーコマース、ファイナンスに続く柱としてデジタルコンテンツ事業をさらに成長させていく考えを示し、OverDriveの買収はその実現に向けたものだと説明した。
1986年創業のOverdriveが提供する電子図書館サービスは、約5000の出版社から提供された250万以上のタイトルをラインアップ、米国では1万8000館、45カ国58言語で3万館以上の公共図書館、学校図書館が導入しており、利用ユーザーは2014年10月末時点で約2100万だという。
相木氏は楽天の電子書籍事業が今回の買収でフェーズ2に入ったと話す。フェーズ1は、Koboの買収により、端末とアプリを通じて電子書籍販売ビジネスに参入すること、そしてフェーズ2は、図書館や教育機関への電子書籍貸し出しビジネスへの参入だ。
「楽天Koboの事業とOverDriveのそれは両輪」と相木氏。楽天Koboが提供していないオーディオブックをOverDriveでは提供していたり、展開地域での補完、つまり、楽天Koboがサービスを展開している欧州やアジア圏でOverDriveの展開を加速したり、あるいはOverDriveが強力な存在感を放っている米国での楽天Koboのブランド強化なども期待されるなど、補完関係にある部分が多い。こうしたシナジーも出しながら、今後鍵になると考える教育分野への進出も果たし、短期的ではないが、10億ドルのビジネスに成長させたいという考えを示した。
会見の模様は追って掲載する。
[西尾泰三,eBook USER]