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3月13日、日本テレビ系列『金曜ロードSHOW!』にて、スタジオジブリの高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』がテレビ初放送されます。
第87回アカデミー賞の長編アニメーション賞にもノミネートされた同作。惜しくも受賞は逃しましたが、現代的な感性で、自分の意思を持つヒロインとして描かれるかぐや姫像や、日本画のような手法で描かれた独特の世界観は、多くのファンを魅了しました。
そして同作と言えば、なんといっても気になるのが、”姫の犯した罪と罰”というキャッチコピー。劇場で既に観ていた人からは「1回観ただけでは、一体何が罪で何が罰だったのか、よくわからなかった……」という声もちらほら聞こえてきます。
『かぐや姫の物語』は、昔話でもおなじみの『竹取物語』が原作。しかし、オリジナルの『竹取物語』では、「かぐや姫は、前世(月の都)で犯した罪を償うために、竹取の翁夫婦の元に遣わされた。そしてその贖罪が終わったので、月から迎えが来た」と書かれているだけで、地上に降ろされた原因になった、かぐや姫が前世で犯した罪の内容については、はっきり描かれていません。
本書『かぐや姫の罪――誰も知らない「竹取物語」の真実』は、そんな『竹取物語』最大の謎、「かぐや姫が犯した罪とは何か?」に迫る一冊。著者の三橋健さんは、日本の神話や伝承には、桃から生まれた『桃太郎』のような「異常出生」譚や、子供のいない老夫婦が、神仏の計らいによって子宝を授かる「申し子」譚など、「物語の約束事」とも言える類型パターンがあることを紹介しています。
本書では、『竹取物語』の原型となった伝承『浅間御本地御由来記(せんげんごほんちおんゆらいき)』と『富士浅間大菩薩事(ふじせんげんだいぼさつのこと)』に注目。この2つの物語のパターンを『竹取物語』にあてはめれば、「かぐや姫が犯した罪」が類推できるとしています。三橋さんは、上記2つの物語を踏まえ、かぐや姫のような絶世の美女が、その美貌ゆえに犯す罪といえばパターンが決まっており、それは男女の恋愛ごと、つまり”姦淫の罪”だと考察しています。
神道学者でもある三橋さんは、神道学の立場から、本書でかぐや姫の罪を結論付けていますが、『かぐや姫の物語』で、高畑勲監督が描いた”姫の犯した罪と罰”とは一体何だったのか? 放映前に本書を読んでおけば、新たな発見があるかもしれません。
【関連リンク】
金曜ロードショー
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