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部下に嫌われない“俺ルール”“私ルール”の使い方

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部下に嫌われない“俺ルール”“私ルール”の使い方

 部下に嫌われない“俺ルール”“私ルール”の使い方

 「“俺ルール”や“私ルール”を押しつけてくる上司って、嫌ですよね」――。こうぼやくのは、ある30代前半のエンジニアだ。
 
  詳しく訊いてみると、「俺はこうやって来たから」「私はこういうやり方をしてきたから」といって、自分流をごり押しするタイプのことらしい。この手の上司は、部下の話をほとんど聴かず、よしんば聴いたとしても、頭ごなしに全否定するか、『うん、うん、分かった』といいながら、結局は自分の考えで物事を進め、部下を従わせようとするのだという。
 
  上司の経験は役立つこともあるし、そこから育まれた知見の中には聴くべき意見や考え方があることも分かっている。しかし時々「それ、古くないですか」「うちの会社ではちょっと違うんじゃないでしょうか」と首をかしげたくなるケースもある――というのが彼の言い分だ。
 
  「普通の会社はこういうやり方をするものだから」――。上司のこの口癖に閉口しているというのは、30代営業職の男性だ。
 
  この上司は大企業からの転職組で、彼がいう“普通の会社”は、明らかに“前の会社”を指しているという。今の会社とは規模も文化も業態も違う“前の会社のやり方”を物差しにして「普通じゃない」と言われても、「普通じゃないのはあなたでしょう」と反発を覚えるという。
 
  「上司の話は理解できるし、理想の形はそうだよね、と思うことも多いんです。でも、口を開くたびに“普通”とか“常識”とか言われると、あまり気分がよくないんですよ」
 
 ●“常識”や“普通”の賞味期限には注意が必要
 
  ここで出てきた上司の問題は、自分の常識やルールを“普通”という言葉で正当化し、それを無自覚に押しつけている点にある。そんな振る舞いをしてしまう背景には、「自分の経験があらゆるケースで当てはまる」という思い込みや、「自分のスタイルを変えなくない」という気持ちがあるのかもしれない。
 
  そもそも、何をもって“普通”“常識”とするかは、主観に左右されるものだ。私にとっての“普通”や“常識”は、環境が変われば“普通ではなく”なり、“非常識”と思われることだってありうる。
 
  例えば、稟議を通すためのフローを考えてみよう。大企業では複数のステップを踏み、正式な書式で提出するケースが多いが、これは多くの稟議を正確に扱うためのシステムであり、そのための人員が用意されているからこそできる。同じことを小規模企業でやろうとしても、そのための人員確保は難しく、小規模企業の良さである“小回りがきく対応”が損なわれてしまうだろう。…

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