出産予定日が近づいてくると、赤ちゃんと対面できるのはいつになるか、カレンダーを見ながらソワソワしてきますね。

　お産を扱う現場では昔から「満月の日はお産が多い」と言われてきましたが、はたしてそれは本当なのか!?　妊婦さんならずとも気になるところです。

　そこで、今回はそんな都市伝説的な月とお産の不思議な関係の真相に迫りつつ、自然のパワーを感じながらリラックスしたお産をするための極意をご紹介します。

　■月とお産の不思議と本当

　月には潮の干満を起こす“引力”があります。人体は約80％が水分で20％が陸。すなわち個体でできています。人体は地表と同じ成分からなり、成分比率もほぼ同じ。

　このことからも、月の引力が体内の水分に何らかの影響を及ぼしているはずだと、アメリカの医学博士 アーノルド・L ・リーバー氏は著書『増補 月の魔力』の中で述べています。

　また、満月と新月には、動物も身体活動、代謝活動、攻撃活動、性衝動などが異常に高まるといいます。

　お腹の中にいる胎児をとりまく羊水も約99％が“水分”。月の引力がお産に影響を与えることは、十分に考えられそうですね。

　■都市伝説じゃない!?　「満月パワー」とお産の関係

　月と生殖サイクルが関係しているという伝説は世界各地にあります。例えばインドでは、どの月齢で妊娠したかで生まれる子どもの性別が決まるという伝説があり、満月や新月には出産が多いと信じられています。

　1959年に、人間の生殖は月齢サイクルと関係があるという研究発表をしたウォルター・メナカー氏とアブラハム・メナカー氏によると、人間の妊娠期間（授精から出産までの期間）を調べるため、25万回の出産記録を調べてみたところ、なんと妊娠期間は月齢の9ヵ月にあたる265.8日であることがわかりました。

　メナカー氏らは、このことから人間の生殖は月齢に従っていると結論づけています。また、他の月齢時に比べ、満月に出産が多いことも立証しています。

　さらに、『増補 月の魔力』の日本語訳者で数学者の藤原正彦氏の研究報告によると、助産院を対象に2,531件にのぼる出産時刻データを解析したところ、新月と満月のそれぞれ前1日と後3日に出産件数が多くなるという興味深い結果も出ています。

　■自然のパワーを感じながらリラックスしたお産のススメ

　臨月になると赤ちゃんと会える喜びや期待が高まるのと同時に、陣痛の痛みや出産に対する漠然とした恐れも出てきて 、眠りが浅くなる妊婦さんも多いのでは？　昨年、初めての出産を経験した筆者もそうでした。…