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YASU-CHIN(ヤスチン)[ダンサー/六本木ビザール・ショーリーダー]
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エンターテインメントの世界では、ゲイやレズと呼ばれる同性愛者たちが、他の業界よりも多く活躍しているように思う。筆者自身がそうであるし、また、一般的に見てもダンサーやパフォーマーあるいはテレビタレントとして活躍している人々に同性愛者は決して少なくない。
この3月に東京都渋谷区で、全国で初めて同性カップルを「結婚に相当する関係」として証明書を発行するという条例案が提出されるという。最近、にわかに同性同士による結婚、「同性婚」に注目が集まっている。
愛の形に性別は関係ない・・・と言えば聞こえは良いが、様々な法的扶助や公共サービスを日本の「夫婦」が受けるためには、現在のところ男性と女性という「異性婚」であることが前提となる。
もちろん、養子縁組のような形式で戸籍を同じくすることで、法的な「家族」を形成するという方法は、以前からなされてきた。しかし、それらはあくまでも、「養子縁組」であって「結婚」ではない。もちろん、「結婚に相当する関係」の証明書も同じかもしれない。同性婚への議論の盛り上がりには、同性愛者の当事者としては思うところもある。(写真:筆者)
筆者は、これまで同性愛者として生きてきたが、ダンサーやショウビジネスの世界では、必ずしも「異性愛者でない」ということが人生の足かせにはなってこなかった。こと芸能界というフィールドで考えれば、それが有利に働くことさえある。
現在、筆者がショーリーダーを務めておるショーシアター「六本木ビザール(東京都六本木7-14-1宝祥六本木ソシアルビル6F)」は、そんなゲイやレズ、SM愛好者あるいはその他の性的異端者(ビザール)とされるダンサーやパフォーマーが数多く集まっている。おそらく、ショーシアターが多数軒を連ねる六本木界隈でも、筆者の「六本木ビザール」はどこよりも多くの「ビザール(異端者)」とされる人たちがいる店であると思う。
しかしながら、筆者ら「六本木ビザール」のゲイやレズの面々の中で、社会的に話題になっている「同性婚」について話が盛り上がることはない。
新聞やテレビの報道では、同性婚について、興味本位の扱いも含めて、様々な情報を目にするようになっている。その反面で、話題の中心にあってしかるべきである筆者たち「ビザール」のダンサー、パフォーマーたちはどうか、と言えば、世間の報道や話題性とはかなり雰囲気が異なっているように思う。…