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国内外の古道具や民芸、現代作家の道具を扱う「toripie(トリピエ)」。大阪の下町、九条にあるお店は、古いインドの布や韓国のスッカラ(真鍮製の匙)、江戸時代の酒瓶や現代作家の器やアクセサリーなど国や時代を越えた道具が並びます。
江戸時代の酒瓶には花を活けて、アフリカの古い祭具はオブジェとして、今の暮らしになじむ古道具スタイルを提案しています。好きが高じて古道具を扱うようになったトリピエの店主・鳥越智子さんに古道具の魅力、その楽しみ方、暮らしへの取り入れ方について教えていただきました。
使っていた人の暮らしを想像する楽しさ
人々が生活で使っていた道具には、人の手を介したあたたかみといつかはその人から離れていく物寂しさやせつなさがある。そのあたたかさとせつなさは、道具を道具以上の存在にかえる、だから鳥越さんは古道具に惹かれると言います。この腕輪はどんな女性が身につけていたのか、このポットでどんなティータイムを過ごしたのか、用途だけではなく使っていた人の暮らしを想像する楽しさは、古道具の魅力のひとつなのです。
鳥越さんは、興味があっても古道具を買うことに慣れていない人には自分の好きなジャンルの物をひとつ買ってみることおすすめしています。ファッション好きならばアクセサリーや布、料理や器に興味があるなら皿やグラス、部屋を飾るアイテムが好きならばオブジェに使える道具など、使うシーンが多いことで道具への愛着がわいてくるとか。鳥越さん自身もアクセサリー、そして布や器、オブジェなど、と興味を広げていったそうです。
自由に見立てて暮らしに取り入れたい
古い徳利や器を花器にしたり、古い瓦をトレイにしたり、韓国の飯椀を小物入れにしたりと、本来の使い方ではなく自由に遊べる面白さも古道具の魅力。古道具を暮らしに取り入れるトリピエ流の見立てを提案していただきました。
幕末から明治期に瀬戸で作られていた徳利は花器使いに。シャビーシックな風合いでデコラティブなお花がよく似合います。また花器のトレイにしているのは、東北地方で使われてきた古い瓦。薄い瓦なので菓子盆などによく使うそうです。
幕末や明治初期に使われていた陶器製の炬燵。火鉢を置いていた部分に飾り物を置いてオブジェとして使用。キャンドルを入れて火を灯してもいい雰囲気。道具の性質上、耐火性があるのがうれしい。
熱燗がすすみそうな酒杯は、仏製の陶器でつくられたエスカルゴカップ。…