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外科手術や内視鏡・腹腔鏡手術の際に、がんの疑いがある部位にスプレーするだけで1ミリ以下の小さながんまで光らせて、見逃しや取り残しを防ぐ試薬を開発したと、東京大学の研究グループが22日までに発表した。
東大の浦野泰照教授らは2011年に、がん細胞では特定のたんぱく質分解酵素が活性化する性質を利用して、世界で初めてスプレーするとがん細胞だけが黄緑色に光る試薬を開発した。
しかしこの試薬では見つけることができないがんも多く、とりわけ卵巣がんが腹腔内にも転移している場合、1ミリ以下のがんだと正常な細胞と識別することが難しいため、どんな小さながんでも洩れなく可視化する技術の開発が求められていた。
そこで研究チームはがん細胞中の酵素「βガラクトシダーゼ」に反応する蛍光試薬を生み出した。 この試薬自体は無色透明で蛍光しないが、がん細胞中のβガラクトシダーゼと反応すると構造が変わって、1000倍以上明るい蛍光を発することが、卵巣がんのマウスの実験で実証された。
研究チームは「蛍光の検出は安価な装置で行えるので、一般的ながん検出法として実用性が期待される。手術中に使うという前例がないスプレー試薬なので、臨床試験は難しいが、ぜひヒトでも実施して実用化を目指したい」と話している。
なおこの研究成果は英科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。