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スウェーデン国内でのロシアのスパイ活動がここ1年で活発化し、安全保障上の最大の脅威になっていると、スウェーデンの公安警察(SAPO)は18日に発表した年次報告書で指摘している。
スウェーデン駐在のロシア人特使の3分の1はスパイで、政治難民、国防、経済に関する情報を収集していると、公安警察の主任アナリスト、ビルヘルム・ウンゲは報告書発表の記者会見で語った。ウンゲによれば、スウェーデンで最も活発に諜報活動を行っているのはロシアで、イランと中国がそれに続くという。
「ヨーロッパ各地と西側にはロシア人の情報将校が何百人といる。彼らは日々、われわれの領土を侵犯している」と、ウンゲは首都ストックホルム近郊のソルナにあるSAPO本部で語った。「ロシアの活発な情報収集活動は、わが国に対する軍事作戦の準備としか解釈のしようがない」
ロシアのスパイ活動が活発になったのは、ウクライナ東部で政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘が始まってからだと、ロイターは伝えている。スウェーデンはウクライナ問題でのEUの対ロシア制裁を支持する側。昨年10月、ストックホルム沖でロシアの潜水艦が活動している疑いが持たれ、ロシアに対する警戒感が一気に高まった。
SAPOの年次報告書はテロの脅威についても触れ、シリアに渡航するスウェーデン人がテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)に加わる危険性が引き続きあると指摘。難民の大量流入も安全保障上のリスクになると警告している。スウェーデンの人口は960万人だが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、14年7月時点で難民申請者は16万6902人に上った。難民に紛れたごく少数の過激派がスウェーデンで攻撃を行う可能性があり、厳重な警戒が必要だとSAPOは見ている。
ルーシー・ウェストコット