米カリフォルニア当局は現地時間３日、米国での出産を希望する妊娠した中国人女性を、渡航目的を偽って入国させている疑いがあるとして、同州内の住宅など約４０カ所を強制捜索した。いわゆる「出産ツアー」の問題だ。米国では、両親の国籍に関係なく米国内で生まれた子は米国籍が取得できるため、米国内で出産する中国人女性が激増している。中国の微博（ウェイボー、中国版ツイッター）では、「中国人は目覚めた」、「子どもだけには“よい道”を作っておく」などの感想が寄せられた。
　
　　裕福でない人が、子どもに米国国籍を取らせた場合に、金銭面で苦労する可能性があるとの指摘を書き込んだ人もいる。中国国籍ではないので、中国に帰国した場合には国際学校に通わせることになる。教育費は極めて高くつく。米国に「永住」はできないので、定期的に国外に出す必要も出てくるとの見方だ。
　
　　米国での出産を望む自国女性が増えていることに対する批判もある。米国での出産を望む“階層”について「いっぱい食べられてぶらぶらしている、金持ちなのに金を使わない成金の子を懲罰せよ」、「西洋崇拝の惨めな結果」などの書き込みだ。ただし、そうは目立たない。
　
　　逆に、「わが国民を（支配体制などの）悪魔から逃れさせよう」、「すばらしい。いそいで米国占領だ」、「人権と平等が保障されているからね」、「違法でなければ人権と自由だ。斡旋（あっせん）業者に違法性があるかどうかは、妊婦には関係ないことだ」などの意見の方が多いようだ。
　
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　◆解説◆
　　香港では２０１０年ごろ、大量の大陸人女性が出産することが問題になった。香港生まれの場合には永住権を取得でき、大陸で実施されている計画生育（計画出産、一人っ子政策）の適用外になるためだった。このため、出産する香港人女性の産院の確保が困難になった。
　
　　香港人が大陸の「人口圧力」を実感し、大陸人に嫌悪感を持つ人が増えるきっかけのひとつになったという。（編集担当：如月隼人）（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）
　
　
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