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【ソウル=豊浦潤一】AIIBとTHAADを巡り、韓国が米中両国の板挟みにあっている。
それぞれとの関係を保ちつつ、国益確保を目指す朴槿恵(パククネ)政権だが、ここへ来て米国との関係はぎくしゃくしており、決断次第ではさらに米韓の距離が広がりかねない。
THAADの韓国配備問題では、朴政権は中国の懸念にも配慮し、「米国から要請はなく、協議も決定もしていない」とのあいまい戦術をとってきた。ただ、北朝鮮の弾道ミサイルという脅威を抱える韓国にとって、最新鋭の迎撃システム配備は喫緊の課題。リッパート米大使の襲撃事件で、米韓同盟への懸念が取りざたされると、与党内に配備の是非を議論する動きも出始めている。
一方、中国が主導して設立を目指すAIIBを巡っては、韓国参加の見方が強まっている。社会基盤整備などでアジア地域への進出が有利になるためで、韓国政府当局者は、「参加した場合の出資割合や見返りについて(中韓の)関係当局間で協議している」としている。