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【ウグレゴルスク(ウクライナ東部)真野森作】ウクライナ政府軍と親ロシア派武装勢力がにらみ合うウクライナ東部ドネツク州。2月中旬の停戦直後に親露派が制圧した要衝デバリツェボの近郊ウグレゴルスクに15日、入った。停戦直前まで戦闘が続いた町では大破した建物が目立ち、地下室などで戦火をしのいだ住民がパンの配給に列を作っていた。一帯の支配勢力はウクライナ軍から親露派へ変わったが、「戦争さえなければどちらでもいい」との率直な声も聞かれた。
◇傷痕生々しく
ウグレゴルスクは、デバリツェボから西へ十数キロ離れた小さな炭鉱町。町の入り口に土のうで築かれた「検問所」のコンクリートブロックには、青と黄2色のウクライナ国旗が描かれたままだ。取材には親露派「国防省」の特別な許可が必要で、緊張した空気が感じられた。
「ウクライナ軍の狙撃手がまだいるかもしれない。あまり奥には行くな!」。案内役の戦闘員が声を張り上げた。平時に約8000人だった人口は10分の1近くまで減ったとみられる。子供や女性の多くが避難したためだ。冷たい風の下、ゴーストタウンのように静まり返っていた。
唯一活気があったのはパンの配給所。約50キロ先の町から毎日運ばれ、1日に1人1個ずつ配られる。20人ほどの列にいたボリスさん(74)は「戦争で年金が受け取れなくなり、この先どう生活すればよいのか」と途方に暮れていた。