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◆新幹線開業見越し 需要の高まり反映
国土交通省が18日発表した公示地価(1月1日時点)で、北陸新幹線開業を見越した土地需要の高まりなどから、JR金沢駅金沢港口(西口)前の「金沢市広岡1」の前年比の上昇率が17・1%と、全国の全用途(前年から継続調査している2万3043地点)で1位となった。最高価格は8年連続で金沢駅兼六園口(東口)前の金沢市本町2で、3年連続で新潟駅前を抑えて北信越5県で最高となった。
県内の上昇地点は、前年の30から38に増え、横ばい地点も前年の21から30に増えた。全用途の平均は1・3%下落と23年連続で下落したが、下落率は1995年(0・2%)以来、20年ぶりの低さだった。
調査は県内17市町の211地点(住宅地143、商業地59、工業地9)で実施。調査地点数は前年と同じで、場所の変更は5地点。変動率は、前年も調査対象だった206地点で計算した。
全用途の平均価格は1平方メートルあたり6万4700円で、全国の都道府県で18位だった。
市町別(全用途)では、金沢市(0・2%上昇)、野々市市(0・1%上昇)など、金沢市近郊で改善傾向がみられた一方、珠洲市(6・1%下落)、輪島市(5・8%下落)など、過疎、高齢化による人口減少が進む奥能登地方で大幅に下落した。
◆住宅地
上昇は28地点で、金沢市21、野々市市3、小松市2、白山市と津幡町が1ずつ。
最高価格は4年連続で金沢市彦三町1で、1平方メートルあたり13万7000円と3・0%上昇した。最高価格の上昇は3年連続。
上昇率が最も高かったのは金沢市広岡1の5・9%、下落率の最高は珠洲市上戸町北方弐の6・9%。
市町別の変動率では、最高は野々市市の0・8%上昇で2年連続のプラス。2位は津幡町の0・7%上昇で、17年ぶりに上昇に転じ、3位の金沢市は0・0%で、20年ぶりに下落から脱した。下落率の最高は珠洲市の6・9%だった。
◆商業地
上昇した10地点は全て金沢市だった。
最高価格は8年連続で金沢駅兼六園口(東口)前の金沢市本町2で、1平方メートルあたり68万円と8・8%上昇。3年連続で新潟駅前(1平方メートルあたり55万5000円)を抑えて北信越5県で最高となり、新潟駅前との価格差も前年の6万3000円から12万5000円に拡大した。最高価格の上昇も3年連続。上昇率の最高は金沢市広岡1の17・1%、下落率の最高は羽咋市中央町の6・9%だった。
市町別では、金沢市が1・3%上昇と唯一プラスで、調査地点があった他の14市町は下落した。下落率の最高は羽咋市の6・9%。
不動産鑑定士の武田昭男・地価公示石川分科会代表幹事は「新幹線開業への期待や景気の回復により、商業地では金沢市の金沢駅周辺から繁華街での上昇が目立った。金沢駅からの徒歩圏では、商業地でも住宅地でも、地価の上昇傾向が続くのでは」と話している。
◆金沢駅西 進む大規模開発
公示地価の上昇率が全国1位となった金沢市広岡1は、金沢駅西口側にあり、周辺ではここ数年でマンション建設など大規模開発が進んでいる。
広岡1で洋菓子店「ミルフィーユ」を20年以上営んでいる荒木一紀店長(57)は街の変化に目を見張る。「駅西側はオフィス色が強かったが、最近はホテルや集合住宅などが建って劇的に変わり、車も混雑するようになった。観光客を含めたくさんの人でにぎわってほしい」と話した。
大和ハウス工業(大阪市)は、2013年夏に金沢駅西口から徒歩圏内の新築分譲マンション2棟の販売を始めたところ、計124戸が1か月半で完売。東京からUターン・Iターン就職のために購入した客もいた。同社広報企画室の佐野快さん(26)は「このペースでの完売は異例。金沢は今後も根強い人気が続くだろう」とみている。