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「現代人よ、パリッとしているか」「贈る心に助太刀いたす」
そんなユニークなコピーと印象的な侍のイラストが出迎えてくれる、「サムライ煎兵衛(せんべい)」。札幌市円山・裏参道地区に開店した手焼きせんべい、それも北海道米を100%使った専門店である。
「せんべい職人の『かまだ煎兵衛さん』が、良い原料を求めて江戸から蝦夷(えぞ)にたどり着き、道産米を見つけたというコンセプトです」と、代表の三瓶匡祥(まさひろ)さん(39)は説明する。
手焼きせんべいは、北海道米3品種を使う。「ゆめぴりか」は厚めの生地を堅く焼き、米の香りをしっかり楽しめる。深川産の「ふっくりんこ」は、細かくひいた薄焼きでクリスピーな食感に心が弾む。美唄産「おぼろづき」は生地に米の粒を残し、ザクザクした食感とともに米の味を堪能できる。食べ比べると、その違いは歴然。三者三様の個性が面白い!
フレーバーはシンプルな「藻塩」や定番の「醤油(しょうゆ)」のほか、ワインにぴったりという「トリュフ塩」、紅茶に合わせたい「ザラメレモン」など、20種類以上。「ごま塩」以外は3種類の生地で用意している。
「せんべいの命は生地」。北海道に加工工場がないため、山形県の生地工場に依頼している。「どんな米を使っても味は変わらない」と、当初は相手にされなかった。時間をかけて思いを語り、信頼関係を築き、今では細かいオーダーもできるようになったという。
三瓶さんの母の実家は、創業50年の手焼きせんべい店「鎌田製菓」(白石区)。自身が経営する「おばんざい・おせんべい かまだ」(中央区)でもせんべいを使った料理を提供し、幼いころからせんべいが身近にあった三瓶さんならではの発想が話題を呼んだ。
今回の出店については「北海道米の魅力を世界に発信するのが目標。そして、せんべい生地の工場も道内につくりたい」と、期待をふくらませる。実際、北海道米のおかきはアジア圏への輸出が始まったという。三瓶さんと、かまだ煎兵衛さんの夢が実現する日は、そう遠くなさそうだ。
ところで男性のみなさん、今週土曜日はホワイトデー。特製のハート形せんべいが、“贈る心に助太刀”してくれるに違いない。
(文・小西由稀 写真・山本顕史)
【住 所】 札幌市中央区南2西25の1の18(電)011・618・0550
【営業時間】 午前10時~午後6時30分。不定休
【主なメニュー】手焼きせんべい(藻塩140円、醤油120円、トリュフ塩160円、ザラメレモン140円など)、おかき18種類=各480円、ハート形せんべい2枚入り500円
※メニュー、価格などは変更されている場合があります。