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これまで本当にありがとう――。長年にわたって、北陸地方の重要な交通手段を担ってきた特急「はくたか」(金沢―越後湯沢)、特急「北越」(金沢―新潟)の引退を見届けようと、金沢駅で13日夜に行われた最終列車を見送る式典には、鉄道ファンら約700人が詰めかけた。ホームでは「160キロの感動をありがとう」といったメッセージを掲げたり、「お疲れさま」とねぎらいの言葉をかけたりと、それぞれの思い出を胸に別れを惜しんだ。
金沢駅の6番線ホームでは午後6時10分頃から2本の特急を見送る「ラストラン・ありがとう」と題したイベントが開かれ、辻昭夫駅長の「出発進行」の掛け声とともに、午後6時30分に越後湯沢行きの最終列車「はくたか25号」がホームを滑り出した。午後7時1分には新潟行きの最終列車「北越9号」も駅を後にした。
中学生の頃から20年ほどにわたって、東京や新潟へ向かう際に「はくたか」や「北越」を利用していた富山市の会社員新谷和宏さん(32)は、自作の電光掲示板に「ありがとう」のメッセージを表示し、「お世話になった二つの列車に感謝を伝えたかった」としみじみと語った。
「ツイッター」を介して集まった鉄道ファンの高校生の姿も。呼びかけ人の津幡町の高校2年米光拓実君(17)は、紙に「THANK YOU!」と書いた紙を掲げて「はくたか」を見送った。「雪が降り積もった日本海側を160キロで走る姿がかっこ良かった」と振り返った。
1か月前に「北越」に初めて乗った金沢市森山、保育園児の小杉喜太郎ちゃん(5)は列車がホームから姿を消すと、「なんでもう見られないの」と大粒の涙を流していた。
「はくたか」は1965年、金沢―上野を結ぶ列車として運行開始。82年に一時廃止となったが、97年に金沢―越後湯沢の特急として復活。1日13往復(一部は和倉温泉―越後湯沢)で在来線特急としては、最速となる160キロで走行し、上越新幹線と接続して北陸と首都圏をつなぐ大動脈を担ってきた。1か月前に発売された金沢行き最終「はくたか26号」(越後湯沢午後9時30分発)の指定席は、わずか5分で売れ切れるほどの人気だった。
「北越」は69年に大阪―新潟を走る臨時特急として誕生し、78年から現在の金沢―新潟で1日5往復してきた。
北陸新幹線開業に伴い、並行在来線は第3セクター「IRいしかわ鉄道」(石川)、「あいの風とやま鉄道」(富山)、「えちごトキめき鉄道」(新潟)などが運行を引き継ぐ。