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名古屋大学の福井康雄教授(電波天文学)らの研究グループは18日、観測していた巨大星について、誕生後、最も初期の段階にあることがわかったと発表した。形成直後の巨大星が観測されたのは初めてといい、形成のメカニズムの解明が進むと期待される。研究成果は大阪大での日本天文学会で19日に報告される。
巨大星とは、質量が太陽の8~120倍。誕生から1000万年で超新星爆発を起こして生命のもとになる炭素などの重元素を合成し、宇宙の進化に大きな影響を与えてきたとされる。
発表によると、名古屋大がチリに設置した電波望遠鏡「なんてん2」などで、1万光年離れた星雲に、太陽の20倍と推定される巨大星を確認。観測データから、誕生後10万年以内の巨大星と判明した。直径20光年以上の大型の分子ガス雲に、直径約10光年の分子ガス雲が秒速10キロで衝突して分子ガスが強く圧縮され、ガス雲のくぼみの中に巨大星が生まれたとみられる。
福井教授は「分子ガスが圧縮され、圧縮層から星が形成される過程など、さらに研究を進め、宇宙全体の進化の解明につなげていきたい」と話している。