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◇住民ら開業4年、お茶やおしゃべりで元気
雲南市三刀屋町で、地元の地域自主組織「中野の里づくり委員会」(深石広正会長)が運営する産直市「笑(え)んがわ市」が今年、開業から丸4年となる。毎週木曜の午前10時から4時間だけ営業する、地区唯一の商店。喫茶コーナーでは、買い物を終えたご近所さんの会話が弾む。(宮地恭平)
約580人が暮らす同町中野地区では、食料などを販売していたJA雲南中野店が2010年10月に閉店し、近くで買い物のできる店がなくなった。65歳以上のお年寄りが住民の4割近くに達する地域で、同店は住民の「憩いの場」の役割も果たしていたという。
明かりが消えたような町に、「活気を取り戻そう」と立ち上がったのが、同会の女性グループ。話し合いを重ね、同JAの空き店舗を生かした産直市を11年6月にオープンさせた。
手作り感にあふれた産直コーナー(約50平方メートル)には、大根やニンジンなど地元産の季節野菜や加工品、衣料品、日用品などが並ぶ。松江市の魚屋や出雲市のパン屋もかけつけ、旬の魚介類やとりどりのパンを販売する。
仲間と切り盛りする店舗責任者の阿川美鶴さん(72)は「評判を聞きつけた地区外のお客さんも増え、大忙しですよ」と、一見客も歓迎する。四つのテーブルに計約60席を用意した喫茶コーナー(約50平方メートル)は1回平均約50人が利用する繁盛ぶり。地元の女性たちが持ち寄った手作りのおかず、コーヒーなどが200円で楽しめる。
道ばたの残雪が目立った2月の木曜には、開店と同時に住民らが訪れて品定めを始めた。買い物を終えた住民らは喫茶コーナーに移り、テーブルに並んだ煮物や漬物など約10品をつまみながらの井戸端会議で盛り上がった。
夫婦で訪れた近くの農業宮崎唯夫さん(79)は「寒い季節は特に退屈で、ここで思う存分しゃべってストレスを解消する。元気が出ますよ」と笑顔を浮かべた。
同会では利用者の送迎や、閉校した近くの小学校校舎の活用も検討しているといい、深石会長は「今後も改善を重ね、昔のようなにぎわいを取り戻したい」と意気込んでいる。