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東日本大震災から4年が巡った11日、府内でも犠牲者を悼み、被災地に思いをはせる様々な催しや防災訓練があった。参加した人たちは東北の復興を願い、「あの日を、決して忘れない」と誓い合った。一方、医療機関では震災を教訓に、災害弱者を支援する新たな動きが広がっている。
◇治療情報 自宅に保管 枚方・寝屋川で取り組み
人工透析患者の災害時や緊急時の治療に役立てたいと、枚方市や寝屋川市の医療機関が患者に、透析に必要な情報を書いた用紙を両市が配布するカプセルに入れ、万一の際に役立ててもらう取り組みを続けている。
枚方市の染矢クリニックや寝屋川市の関西医大香里病院など両市内の18機関が昨年5月以降、計約300人に配った。寝屋川市の主婦岸田鈴子さん(61)は昨年12月、自宅で体調が悪くなり、119番した。「しゃべる元気もなかったので、救急隊の人に用紙を見て、治療に何が必要か把握してもらいました。本当に助かりました」と感謝する。
筒形のカプセルはプラスチック製で直径7センチ、高さ22センチ。両市が作り、2010年度以降、民生委員らを通じて希望する高齢者らに配布している。受け取った人は氏名や緊急連絡先などを書いたカードを入れ、見つけやすいように冷蔵庫で保管する。
医療機関も被災する災害時には、災害弱者となる人工透析患者にも、高齢者や障害者と同様、迅速な支援が必要になることから、両市の医療機関でつくる研究会が両市に働きかけ、配布が実現した。透析患者向けのカプセルは、医療機関が直接、配っている。
日本透析医学会によると、患者の情報を、こうした形で保管・活用している例は全国でもないという。染矢クリニックの木下義久院長(47)は「今後も配布を続け、また、連携する自治体を増やして災害時の透析患者の安心・安全につなげていきたい」と話している。
◇祈りの灯 1万2000本 枚方
枚方市の岡東中央公園では約1万2000本のろうそくに火をともし、被災地の復興や平和を願う催しが行われた。
市内の大学生らでつくる実行委が企画。ガラスコップなどに入ったろうそくを並べて「ガンバレ東日本」の文字を型取り、午後6時頃、黙とうしたあと火をともした。コップには、地元の小中学生らが「絆」や「頑張ろう」といった被災地へのメッセージを色とりどりに記しており、集まった市民ら数百人は揺れる炎を見つめながら、手を合わせるなどした。
実行委員長で大阪国際大4年の生田雅志さん(22)は「東北は遠く、震災の記憶は薄れがちだ。こういった行事を通じて震災のことを思い出し、子供たちに記憶を引き継いでいきたい」と力を込めた。
◇逃げ道 園児ら確認 河南
河南町の町立かなん幼稚園では防災訓練が行われ、子供や保護者ら約200人が万一の際の避難ルートを確かめた。
震度6強の地震が起きたという想定で、自主防災組織のメンバーらも参加。教室にいた園児は、頭巾をかぶって近くの公園に逃げ、保護者と合流した。
子供たちは避難後、消防士らから「地震の時どうするか、お家で話しあってください」と言われて「はい」と元気よく返事をした。浅田多都子園長は「訓練の積み重ねが子供の命を守り、震災の記憶を途絶えさせないことにつながればうれしい」と話した。