“婚活”という言葉が象徴するように、結婚とはいわば“活動”して手に入れるべきステータスともみられているような風潮があります。でも一生の愛を誓い、夫婦という社会ユニットとして生活を共にしていくことは、けっして甘いことばかりではありません。自分の夢やライフスタイルを諦めて相手に合わせる必要も出てくるし、相手の家族や親せきとも関わっていくことになります。また夫婦ふたりの仲はうまくいっていたとしても、育児に対する意見の違いや、経済的状況などにより、結婚生活が破たんすることも珍しくはないのです。世界に目を向けてみると……。
見過ごさないで気をつけて! 破局や離婚に至るサイン 4選
◇ 各国の離婚率 (2013年)
アメリカ :53%
オーストラリア:43%
イギリス:47%
ベルギー:71%
ポルトガル:68%
フランス:55%
といずれも高い離婚率が見られます。
さらに気をつけてみたいのは、以上の数値はあくまで正式に離婚が成立したケースということ。筆者の住んでいるオーストラリアでも離婚率は高く、珍しいことでもないのですが、それでも多くの人が離婚(divorce)という言葉を使いたがらず、避ける傾向にあります。「Dワード」、あるいは「セパレート(separate:別居の意)」と表現することが多く、言葉自体がいわばタブー視されていることからも、これだけ離婚者が増えても精神的抵抗感はかなり強いのだろうと思われます。
そしてこの“まだ正式には離婚に至っていないけど、もはや結婚生活は破たんし、別居状態”といういわば離婚予備軍がかなりいることを忘れてはなりません。ではどうして多くの破たんカップルたちは、正式(この場合、法的にということです)に離婚しようとしないのでしょうか。それは……。
◇ 離婚するにも、お金がかかる。離婚手続き、財産分与、などなど煩わしいことだらけ
という理由が圧倒的に多いようです。特にオーストラリアでは持ち家カップルも多く、いざ別れようと思っても、そうした財産関係でとにかく揉めそうで面倒くさい、あるいは経済的に難しい、別れられないという膠着したケースもあるのです。
このようなカップルたちも多数存在することを思うと、各国の離婚率はもう少し上方修正してみたほうが良さそうな気がしませんか? また逆に考えてみると、ほんとうに末永く幸せな結婚生活を続けているカップルは残念ながら少数派なのかも……なんて考えてみると、結婚って本当にシビアで、甘いものではないということがお分かりのはず……。
ちなみにイギリスでは離婚後、ずっと「おひとりさま」暮らしを選ぶ人が増えているとか。誰かと生活を共にすることの息苦しさや窮屈さを味わってしまったがために、「やっぱり一人で自由に、気軽に生きるのが一番だわ」と思うのでしょう。
「結婚」=「愛する人と幸せに暮らす」というという図式だけでは済まされないこの現実。憧れるのもいいですが、幸せになれるかどうかは自分の性格やライフスタイル、そしてもちろん何より自分にとって正しい相手を選べるか、にかかっていると言えそうです。