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酒類のような味がするノンアルコール(ノンアル)飲料2商品について、消費者庁が先月、初めて特定保健用食品(特保)として許可した。酒類の代替品として、生活習慣病予防などに期待される一方、未成年者の飲酒の引き金になることが懸念されており、販売時の対策が課題となっている。(平沢裕子)
■生活習慣変え得る「お墨付き」
特保とは、安全性と有効性についての国の審査を受け、健康への効果の表示が認められた食品。今回、許可されたのは、サッポロビールの「サッポロプラス」と花王の「ヘルシアモルトスタイル」の2つの商品だ。糖の吸収を穏やかにしたり、脂肪を消費しやすくしたりするのが特長で、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策のための飲料といえる。
ノンアル飲料は、車の運転や健康上の理由などからアルコールを控えなければいけないという人にはありがたい存在だ。
特保食品に詳しい鈴鹿医療科学大の長村洋一副学長は「アルコールはたばこと同様に健康への害が指摘される嗜好(しこう)品の1つ。特保というお墨付きがあることで、ノンアル飲料をアルコールの代わりに飲もうと思うようになれば、アルコールの量を減らすことにつながる。生活習慣を変えるいいきっかけとなるかもしれない」と期待する。
■法律上は「清涼飲料水」だが…
一方で懸念されるのが、特保の“健康に役立つ”イメージにひかれて未成年者が飲み、飲酒習慣につながることだ。
ノンアル飲料の特保許可をめぐり意見を求められていた内閣府消費者委員会は昨年8月、「未成年者が飲むと将来の飲酒につながり、かえって健康を損ねることになりかねない」とし、許可を「認めない」と答申していた。
消費者庁が消費者委の答申を覆す判断をしたのは初めてのこと。ただ、業界に対し、未成年者対策の徹底を条件に挙げ、「対策が不十分なら許可の取り消しもあり得る」とした。
これに対し、商品の発表会を今月予定しているサッポロビールは「現在販売しているノンアル飲料と同様に、未成年者の手に届きにくいよう配慮したい」。まだ、発売日が決まっていない花王も「ターゲットはメタボを気にする中高年。大人が健康のために食事と一緒に飲むことを提案したい」とする。
アルコール1%未満のノンアル飲料は法律上は清涼飲料水。国税庁はアルコール飲料については、未成年者対策として販売店に「対面販売の励行」「販売時の年齢確認実施」などを求めているが、ノンアル飲料に対しての規制はない。
業界団体は販売業者に対してノンアル飲料を「お酒売り場に置く」などし、未成年者に販売しないよう要請しているが、対応は業者によって異なる。
販売時に酒類と同じように年齢確認しているところもあるが、「販売しても法律上は問題なく、未成年者の購入を拒否できているかどうかは分からない」(大手コンビニ広報)。
長村副学長は「これまでの特保の中には、中高年対象なのに、ダイエットしたい10~20代の若者への波及効果を狙った宣伝がなされた商品もあった。ノンアル特保のメリットを消費者が享受できるよう、メーカーは未成年者に飲用されることがないように広告内容を工夫してほしい」と話している。