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あまりにも不快
音がないのに起きられる…そのヒミツは、設定した時間に敷布団の下の袋がふくらむ仕掛けにあります。
ベッド脇に置かれた一辺30センチほどの金属製の箱からベッド下に伸びたホースに空気が送られ、敷布団の一部が膨らみます。駅員たちによれば、「あまりに不快で起きてしまう」「目覚まし時計よりも威力がある」と言います。複数の同僚が寝ている相部屋でも、静かに目を覚ませます。
商品名は「やすらぎ」
製造・販売するのは山口県下関市の新光電業。従業員約50人の機械メーカーです。起床装置の誕生は約50年前にさかのぼります。
国鉄が1964(昭和39)年、相部屋で音を立てずに宿直乗務員を起こせる装置の開発を数社に依頼したのがきっかけでした。当時は起床時刻が異なる宿直員が同じ部屋で眠り、さらに「起こし番」と呼ばれる職員もいました。
新光の装置の原型機は国鉄に評価され、2年後に直方市(福岡県)の車両基地に初めて納入。全国に本格導入されたそうです。
商品名は、なんと「やすらぎ」。名前と違ってやすらがないのが魅力の「やすらぎ」…。ネット通販で個人向けにも販売され、年100個近くが売れているそうです。価格は10万円ほどしますが、最近は注文が相次ぎ、個人向けは2月には在庫切れに。次の入荷は4月上旬の予定だそうです。