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仕事の専門分野でなくても、一流のビジネスマンになるために学んでおきたいことがある。
各界の第一人者たちが長く読み継がれる入門書を厳選してくれた。
世界的にビジネスの新興国シフトが起きている。しかし先進国とは異なり、想像を上回る多くの困難が伴うのが新興国でのビジネスだ。精神的に追い詰められないためにも、その国の成り立ちや文化的な背景、目前のビジネスの世界経済における位置づけなどを知り、視野を広くとることをお勧めしたい。
「新興国」という言葉には各国を新しいマーケット、安い労働力を使える生産拠点として経済的視点から捉え、違いを捨象して記号化している印象がある。実際にはどの国もどの国民も、ステレオタイプでは括れない。それぞれの国や地域に独自の文化や生活スタイルを持つ人々が暮らしていることを、常に頭に置いてほしいと思う。『ヒンドゥー・ナショナリズム』や『ヴェトナム新時代』にその一端が書かれている。
今日ではアフリカやアジアの新興国に関しても、ネット上でさまざまな体験談を読むことができる。便利ではあるが、悪しき先入観につながる恐れもある。実際に自分が現地に行くときは、思い込みにとらわれず、フレッシュな目でありのままを見るよう心がけてほしい。現地に来なければ得られないような発見が必ずある。そうした気づきのための素地を養ってくれるのが、ここで紹介する本である。
■国際――新興国の実情を知る素地を養う
■インド人の発想の背景とは
『ヒンドゥー・ナショナリズム』
中島岳志/中公新書ラクレ
気鋭のインド研究者が、有力政党BJPの母体であるRSS(民族奉仕団)への取材を通じて現代インドを描写する。RSSは経済成長の中で人心の荒廃を憂う人々の受け皿となる一方、彼らを視野の狭いナショナリズムに誘導していると指摘。インドで起きている事件やインドの人々の発想の、背景に踏み込むための知識を与えてくれる好著である。2002年刊。
■今も残る南北対立
『ヴェトナム新時代』
坪井善明/岩波新書
ヴェトナム戦争の勝者は、経済的には立ち遅れた北部のほうだった。この南北対立は今も同国の政治経済に深く影響している。著者は現在のヴェトナム経済の諸問題や、ヴェトナムにおける日本の印象、両国の経済関係などに触れつつ、今日の同国の問題の源流となっているヴェトナム戦争やカンボジア紛争の過程についてわかりやすく記述している。2008年刊。…