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謝罪、土下座、返品・交換しろ……巷に溢れるクレームは玉石混交。それは、思いもよらない発想で投げかけられることも。さまざまな業種に寄せられる理不尽なクレームはときに、不謹慎だが、意外すぎて面白かった。
◆続々出てくる!面白クレーム集
<土木建設業>
「山奥の送電線建設では、数メートルの差で地面が売れなかった地主のひがみがスゴい。現場に来ては『クレーンで吊った資材がワシんちの地面の上を通ったからカネ払え』と何時間もゴネる」(42歳・男・電気)、「雪降る夜、高速道路の出口で料金を払わない人がいた。曰く、『道路にできた轍の幅がワシの車と合わへんから払わん』」(42歳・男・道路整備)とか、思いもよらない言い分が飛び出すことも。
<海外事業>
「海外単身赴任中の社員のお子さんに『会社がおとうさんを外国に行かせたから、おかあさんが寂しくて浮気をしている。家族がバラバラになったら責任を取ってくれるんですか!?』と泣かれたことがある」(42歳・男・商社)、あるいは、「某企業の海外工場を請け負ったとき、その地域の治安が悪くなり、『何でそんな場所を選んだ?』と嫌み」(32歳・男・建設)など。
夫婦関係も国の治安も、雪の轍も、残念だがどうにもできない。
<IT系>
また、「『連絡はメールではなくフェイスブックでDMを送ってください。DMはすべて見てますから』と言うクライアント。その通りにしたが返事がない。すると、『友達申請してくれないと読まないんで』だって」(43歳・男)。クレームにも業界らしさが滲むようで。
<CM制作>
「撮影現場で女性タレントが、『私、歌舞伎揚げが食べたかった』と言い、ドン・キホーテまで買いにダッシュ」(27歳・男)なんて、ギョーカイ感満載だ。
<化粧品メーカー>
「『イメージキャラクターのタレントが気に入らない、代えろ!』と言われることがあります。が、“おとなの事情”なのでどうしようもありません」(35歳・女)
そう。皆、おとなの事情と折り合いつつ仕事をしている。お互いさまだと思えば、理不尽なクレームもなくなるはず、なのだけど。
イラスト/花小金井正幸
― 店員が告白した[許せる/許せない]クレームの境界線【7】 ―