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豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」が12日、引退の日を迎え、札幌行きの最終列車がJR大阪駅を出発した。国内最長の約1500キロを約22時間かけて走る人気列車で、平成元年の登場から四半世紀で地球470周分1900万キロを走破した。これまでに116万人が利用し、多くの人に愛されてきた。「お疲れさま」「ありがとう」。出発の大阪駅10番ホームと、線路を挟んだ向かいのホームには約3500人の鉄道ファンが詰めかけ、カメラを頭上高く掲げながら最後の旅路に出る列車を見送った。
【フォト】JR大阪駅を出る「トワイライトエクスプレス」
午前11時10分すぎ、深緑に黄色の帯をまとったトワイライトエクスプレスが姿を現すと、集まったファンらの歓声とカメラのシャッター音がこだました。
気象条件の厳しい日本海側を長年走行し、風雪に耐えてきた車両は、塗装し直した跡が残るなど老朽化は隠せないが、丁寧に整備されてきた車体はきれいに磨き込まれていた。
1カ月前の大阪駅での先行発売で唯一切符が取れたという男性会社員(34)は会社を休んで妻と娘の3人で乗車。「食堂車があったり贅沢(ぜいたく)な設備で、非日常が味わえる。最後の姿を車内から見届けたい」
子供2人と見送りに来た神戸市の鉄道ファンの主婦、藤田まどかさん(33)は先頭の電気機関車付近で「トワイライトは全部好き。昨年一度乗って、また乗りたかったが、切符が取れなかった」と名残を惜しんだ。
「8001列車の運転士さん、こちら車掌です。8001列車、発車!」
車掌が、無線で運転士に出発の合図を送った。午前11時50分、汽笛が高らかに鳴り響き、最終列車は約130人の乗客を乗せ、ゆっくりと動き出した。ファンらは、遠ざかるテールランプを手を振って見送った。
トワイライトエクスプレスは平成元年7月に運行を開始した。沿線の食材を使ったフランス料理を楽しめる食堂車、展望サロンカーを連結し、人気を博したが、北海道新幹線開業に向けた青函トンネル改修工事や車両老朽化の影響で引退。ただ、JR西日本は今後も団体専用臨時列車(団臨)の「ランチクルーズトレイン」などとして活用する方向で検討している。