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昨年9月の世界初公開の後、2月までに詳細なスペックなども明らかにされ、あとは6月頃とされる発売を待つばかりとなっているマツダ新型「ロードスター」。大きな期待に応え、さまざまなイベントでお披露目が行われている。
「NAGOYAオートトレンド2015」でも、新型「ロードスター」はステージ上に鎮座。名古屋のファンを釘付けにした
ステージの向こう側は発売されたばかりの「CX-3」。この2台を買いそろえるというのもアリかもしれない
「若い人でも手が届くスポーツカー」発売まであと少し!
名古屋で開催されるカスタムカーやチューニングカーの祭典「NAGOYAオートトレンド」。マツダはひときわ大きなブースを構えた。派手なカスタムカーもなければ、この手のイベントに必須のコンパニオンもいない。それでも押すな押すなの大盛況となった。ファンの目を釘付けにしたのは、発売が待ち遠しい新型「ロードスター」。ショー開幕直前に発売されたばかりのクロスオーバーSUV「CX-3」と2台並んでステージに鎮座していた。
新型「ロードスター」については、イベント開催時点でとくに新しい発表があったわけではないが、それでもほとんどの来場者にとって、初めて実車を目の当たりにできるチャンス。しかもステージがあまり広くないおかげで、手を伸ばせば届きそうな距離だった。本当に手が届いたら(実車に触ったら)スタッフに叱られてしまうだろうが、新型「ロードスター」はまさに「若い人でも手が届くスポーツカー」。発売も目前に迫り、さまざまな意味で「もうちょっとで手が届く」という雰囲気になってきている。
この角度から見ると、着座位置が相当低いことがわかる。短いシフトレバーに休憩のシフトノブがうれしい
ボンネットは低く、サイドシルは高く。この車高はやはりショーモデルとして低くしてあるのか?
ステージ上とはいえ、近くでじっくり見られる展示だった。低いボンネットに対して、リア回りは妙にボリュームがある。16インチホイールはいまどき小径の部類だが、「ロードスター」にはちょうど良さそう
それにしても、改めて感じるのはマツダの勢いだ。「アクセラ」「CX-5」「デミオ」とヒットを連発した上に、「CX-3」も受注好調。そして新型「ロードスター」の発売が控えているのだから、快進撃とはまさしくこのことだろう。マツダの人気は、環境性能と走る楽しさを両立したガソリンエンジン、臭くてうるさいイメージを完全に覆したディーゼルエンジンなどに要因がありそうだが、しかしこれだけ他社を出し抜ける技術を発揮できたのはなぜなのか?
マツダのスタッフを捕まえ、ずばり聞いてみたところ、ひとつのファクターとして「ちょうどよい大きさ」を挙げていた。ボディサイズではない、企業規模のことだ。「あまり大きな会社になると大胆な方向転換は難しく、小回りがきかない。かといって小さすぎると研究開発費用をかけられない。いまのマツダはちょうどいい大きさ」であるという。
なるほど、「ロードスター」にしても、先代モデルより小さくするという決断は大きなメーカーだと難しいかもしれない。逆に小さいメーカーだと、スチールボディをこれほど軽量に仕上げるのは難しかったかもしれない。
ライトウェイトオープンカーはいったん世界から消えたジャンルだが、25年前に「ロードスター」の登場で復活した。しかし現在、世界を見渡すと、ライトウェイトといえるオープンカーは結局「ロードスター」しか残っていない。このカテゴリのモデルを開発し、販売し、育て上げるのは難しいのだろう。それができたのは、マツダが「ちょうどよい大きさ」だったから。もちろんそれだけではないだろうが、なにかストンと腹に落ちる話であった。