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健康食品業界、「第三の制度」で淘汰加速?機能性表示食品制度の衝撃、大きなメリデメ

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健康食品業界、「第三の制度」で淘汰加速?機能性表示食品制度の衝撃、大きなメリデメ

健康食品業界、「第三の制度」で淘汰加速?機能性表示食品制度の衝撃、大きなメリデメ

 

 健康食品業界で優勝劣敗が進むかもしれない「機能性表示食品制度」が今年4月から始まる。新制度では「目の健康を維持します」など身体の部位を示し、製品や成分の働きを表示できることが特徴。これまでも効果を謳える特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品があったので、第三の制度となる。トクホと大きく違うのは、国の審査・許可ではなく「届出」で効果を表示できる点だ。さらに、新制度では健康食品やサプリメントだけではなく、果物など農産物にも効果が表示できるようになる。

 新制度では効果の科学的根拠や製品の安全性の確保については、メーカーや販売者が自己責任で対応しなければならない。このため、担当の消費者庁は虚偽の表示や品質トラブルがあれば罰則を科す方針だ。

 安倍晋三政権は2013年6月、健康食品などの表示規制の緩和を実施することを閣議決定したが、当初は「トクホ利権」を維持したい一部業者が自民党の厚労族と組んで、新制度の導入を阻止する動きもあったし、消費者庁もあまりやる気がなかった。ところが、市場拡大を期待する健康食品やサプリメントの業界団体が押し返し、新制度の導入にまでこぎ着けた。

 政府が規制緩和を狙う背景には、財務省が目論む医療費の削減があった。年間1兆円ずつ増大していく医療費を抑制するためにも、病気になって薬に頼るのではなく「自分の健康は自分で守る」風習を日本にも根付かせようと考えたからだ。

 ただし、規制緩和には一長一短がある。まず、消費者にとってのメリットは、健康への効果が表示されることによって、スーパーやドラッグストアなどの売り場で、自分の悩みや体質にあった商品を選びやすいようになることだ。

 例えばDHAが含有されるサプリメントには「血管の健康を維持する」といった表示が検討されている。また、ミカン栽培が盛んな静岡県の「JAみっかび」では、ミカンに含まれる「β―クリプトキサンチン」に骨粗しょう症への効果があることから「骨の健康を保つ」という表示の検討に入っている。

 健康食品やサプリメントには「効果がある/なし」の論争も存在しているが、行政の中では健康管理に「葉酸」摂取を推奨しているところもある。埼玉県坂戸市では「葉酸」を摂取する食事指導を行った結果、医療介護費を06年度と07年度で計22億円削減した実例もあり、科学的根拠のある機能性食品の摂取は、病気の予防に一定の効果があることも示されている。●「バスに乗り遅れると取り返しがつかない」

 一方、想定されるデメリットは、新制度の枠内でも一部の悪徳業者が跋扈することだ。効果がないものを効果があるように表示したり、過大広告を出したりしている業者も多い。悪徳業者が嘘の表示をしたり、安全性に疑問の残るものまで効果を謳って販売推進したりした場合、被害を受けるのは消費者であり、場合によっては生命の問題にもかかわる。

 こうした事態を想定して、消費者庁は商品取締りの担当者を増やすほか、健康への効果について否定的な研究論文があれば、それも探すように事業者に求めた。さらに、消費者庁は、今回新たに始まる「機能性表示食品制度」以外の健康食品を厳しく取り締まる方針だ。それを受けて、特にサプリメントの業界では、新制度以外の製品は「科学的根拠がない」「安全性が疑問」として淘汰される可能性も高いと見られている。「市場環境を激変させるパラダイムシフトであり、まさに市場革命だ。バスに乗り遅れると取り返しがつかない」と、ある大手事業者は話す。

●消費者庁がガイドライン公表

 消費者庁は3月2日、制度の細則を定めるガイドラインを公表した。新制度は、科学的根拠や安全性などの面でハードルが非常に高く、研究開発と品質管理の両方で投資をして人材育成に取り組まないと、市場の変化についていけなくなる可能性も高い。制度の内容を熟知して活用しないと、スタート早々にトラブルが起こる可能性もある。

 このため、大手事業者が集まる日本通信販売協会(JADMA)でも危機感を募らせており、3月24日にはJADMA主催でTOC有明コンベンションホールにて、消費者庁担当者を招聘してのガイドラインの徹底解説や業界大手の準備状況などを紹介するイベント「機能性表示食品制度前夜祭」が開催される。

 健康食品に関わる健康被害への対応について、サプリメントと医薬品の飲み合わせなどについて講演があるほか、20年近く前に規制緩和して健康食品市場が拡大した米国での問題点とその克服についても、専門家が事例を紹介しながら説明する。さらに新制度に対応して新たに導入する自主規制なども発表する予定だ。JADMAでは、会員以外にも広く参加も受け付け、新制度の理解を進めて業界全体の底上げを図る考えだ。
(文=井上久男/ジャーナリスト)

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