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帰還困難区域内の国道6号沿いでは、避難で無人となった民家の入り口には防犯用のバリケードが並ぶ=2月17日、福島県大熊町
福島県沿岸部を南北に貫く国道6号。地元の人たちから「陸前浜街道」と呼ばれ、地域の生活を支える大動脈として親しまれてきた。東京電力福島第1原発事故による避難区域の設定で通行止めになっていたが、昨年9月に全線開通した。原発を境とした南北の分断が解消された周辺の町では新たな生活が動き始めた。
楢葉町の仮設商店街にある「武ちゃん食堂」の佐藤美由紀さん(右)は、国道6号を通る原発作業員に見えるよう「おつかれさま」と書いたメッセージを窓に貼った=2月18日、福島県楢葉町
ほぼ全町民が避難する楢葉町。昨年7月にオープンした仮設商業施設「ここなら商店街」の昼時は除染作業員らでにぎわう。「武ちゃん食堂」の看板メニューはレバニラ定食。佐藤美由紀さん(50)は「作業員さんたちとは顔なじみ。ふるさとのために働いてくれる人の力になりたい」と話す。
東京電力福島第1原発から西に約2キロの地点。夕闇に包まれる国道6号には車のテールランプの列が浮かび上がる=2月28日、福島県大熊町
双葉町から富岡町までの約14キロは放射線量の高い帰還困難区域。原発から約2キロ西側を通り、自転車、バイクの通行はできない。自動車でも停車や降車は原則禁止だ。
朝日を浴びながら国道6号を走るJR常磐線の代行バス。乗務員の野木美智子さん(左)は県外からの乗客らに車窓を案内する=2月20日、福島県南相馬市
今年1月、不通が続くJR常磐線の竜田-原ノ町間を結ぶ代行バスの運行が始まった。帰還困難区域で初めての公共交通だ。「このバスは高放射線地域を通ります。窓は開けないでください」。車内の放射線量を測定する野木美智子さん(44)の本職はバスガイド。「右手には『夜ノ森の桜』という名所があります。バリケード越しでしか見えませんが、春には桜並木が満開になります」。県外からの乗客には車窓を案内する。「観光バスではないのでガイドすべきか迷いもあるけど、放射能汚染の不安が少しでも和らげれば」と前を向いた。