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さらにマジで仲が悪いのが、北信と南信、長野と松本だろう。
「廃藩置県の時に、北信は旧長野県、南信は飛騨とともに筑摩県だった。これが合併して今の長野県となったが、松本は『長野市が県庁所在地では北に寄りすぎている』と、分県や県庁の移庁を主張した。しかし、北信の陰謀か、それがかなわなかったことをいまだに恨んでいます」(矢野氏)
北信には善光寺、南信には松本城といずれ劣らぬ国宝がある。いっそ「信州県」に改名するのも一手か。
こちらも、県下NO1を競っているのが、埼玉県下で現さいたま市に合併した浦和と大宮だ。
「合併協議が動きだしてから話がなかなかまとまらなかったのも、両市が地域エゴを剥き出しにして主導権を激しく争ったからと言われている。基本的に国も地域も隣同士は仲が悪いのですが、浦和の人は、埼玉県の中では浦和が格上の地域という意識が強い。それは戦前、浦和に画家が多く、文豪の多い鎌倉と並んで『鎌倉文士に浦和画家』と呼ばれたこともあり、プライドが高いのです。大宮に対しては、『ウチが断った鉄道操車場のせいで大きくなった』という意識もある。また、それぞれJリーグの浦和レッズと大宮アルディージャがあるため、対抗意識はまだまだ続きそうです」(矢野氏)
近隣でローカルなツバ競り合いをしている間に、両市の周辺では春日部、川越、川口、所沢までもがご当地ナンバーを認定され、昨年11月には越谷ナンバーも導入された。浦和レッズのサポーターが全国一熱狂的なのは、浦和人の最後の希望の光だからなのかも。
この他、ライバル関係を町おこしに利用しているのが、「日本一の暑さ」で対決している埼玉の熊谷と岐阜の多治見。暑さを逆手にとったイベントはワイドショーでも取り上げられ、町のキャンペーンに一役買っている。しかし、一昨年8月に高知・四万十市で観測史上最高の41度を記録したことが大きなニュースとなった。
「四万十市に抜かれたといっても、たまたまの記録ですし、観測所にもやや問題があったことが指摘されていますので、両市ともにあまり気にしていないようです」(浅井氏)
ところが、餃子日本一の座を競う静岡・浜松と栃木・宇都宮の関係では異変が発生! 長年購入費1位を死守してきた宇都宮が、11年12年と連敗、13年に王座に返り咲くも14年に再び完敗。「PRのための順位争いはもういい」と戦線離脱の可能性が出てきたのだ。
「ライバル関係も、勝ち目がなくなると諦めてしまったり、勝負がなかなかつかないとムダな争いがバカバカしくなってきて、やめてしまうこともある。宇都宮はこのケースではないでしょうか」(浅井氏)
火事とケンカは江戸の花、雌雄を決するタイマン勝負をもっと傍観させて!