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早稲田大学出身者としてクイズ番組などで活躍する漫画家のやくみつる氏。同大では「生きる力を養った」というが、ライバル校である慶應大学の女性が気になるという。
* * *
早大に入りたいというよりも、「早大漫画研究会」に入りたいという思いが強かったですね、受験のときは。談論風発、すごい人気だった。新入部員は最初100人ぐらいいたんじゃないかな。
「入漫試験」があるんです。何問か筆記で。
「ウニとイガグリを描き分けよ」
どう考えても、からかわれている。あのときは真剣に受けましたけど。
時代はいわゆる“オタク”と呼ばれる人たちが出てくる、ちょっと前です。
「描かないやつはやめてしまえ!」
という“実作”重視。研究会なんですが、ゼミがあって、私はヒトコマ漫画ゼミに。年1〜2回発行の機関誌に発表する作品づくりのために、野尻湖での合宿もありました。
当時あった第一学生会館の3階が部室。九龍城のようなこのカオスに入り浸りで、授業はほとんど出ていません。
私は昔からストーリー漫画には興味がない。むしろ漫画は嫌いだといってもいい。ヒトコマとか風刺画とか、そういうものが描きたかった。高校時代も似顔絵をよく雑誌に投稿していました。月刊「相撲」に。もちろん描くのは力士ですよ。
バイトも似顔絵描きです。当時流行っていたんですよ。新宿の中村屋が雇い主で、店先にテーブルを出してお客さんを待つ。ときにはデパートの屋上でも描きました。画材は水性のいいボールペンが出たときでして、色も塗りましたね。多い日は100人ぐらいも描いたかな。日給8千円。いい稼ぎでした。
でも、稼いでは、飲んじゃう。漫画以外はマージャンとお酒。今思うと、絵に描いたような自堕落な生活ですけど、コレクターからはいちばん遠い時代だったなあ。
早稲田のいいところですか? 劣悪な環境でも生きる力を養えることじゃないでしょうか。クイズ番組でも司会のさまぁ〜ずの三村(マサカズ)さんが、
「早大の人は地頭がいいからか、土壇場で強い」
とおっしゃっていました。
ケーオー的な、スマートで、おしゃれで、カッコイイものは、唾棄すべきものだと思っています、はい。
クラスにほとんどいなくて在籍していたこともつい5、6年前に判明したというぐらいの私を、同級生はクラス会に呼んでくれて。あたたかく迎えてくれました。ワセダは本当にいい人が多いなあ。
でも、今気になっている女性は慶大卒なんですよ。もう、全然違います。洗練されているんですよ。連れていってくれる店なんか、白金ですよ? 考えもしないですもん、シロカネ。やっぱり一山いくらのどこぞの女性とは違う!
あ、男は慶應は認めません、あくまで女性で。
※週刊朝日 2015年3月27日号