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花の便りも北上中。とはいえ、まだ肌寒く感じる日も多い。そんなときに覚えておきたい、ホット・カクテルがある。その名は、ホット・バタード・ラム。ラム酒を熱湯で割り、砂糖とバターを加えたもので、クローブやシナモンで風味づけすることも。クラシックなカクテルで、日本の卵酒のように、欧米では風邪気味のときに飲むカクテルとしても親しまれているとか。
ダーク・ラムの甘い香りと、バターの芳香が重なり、口に含めば、砂糖の甘さとバターのまろやかさがアルコールを優しく包み込む。飲むうちに、体は芯からポカポカだ。バーでは、シガーを吸う人にもお薦めだという。喉のいがらっぽさを、バターの脂肪分がマイルドにしてくれるからだ。「昔ながらのつくり方でも十分おいしいのですが、もっとマイルドでコクがあって、バター感を味わえるレシピがあります」と言うのは、六本木のバー「ネプラスウルトラ」の店長、伊藤学さん。それはまるで、お菓子づくりのようだった。
まず、バターに三温糖とスパイスを混ぜ込み、ミックスバターをつくる。これが、ホット・バタード・ラムの、いわば“素”で、そのままパンに塗ってもおいしそう。仕込んでおけば、いつでも飲みたいときに、さっとつくることができる。グラスに材料を順番に入れていく従来のやり方よりも、ミックスバターと熱湯をよく混ぜて乳化させ、ラムを注いで乳化させるという工程にすることで、全体がしっかりと混ざり合い、一体感とまろやかさが、格段にアップするのだ。バターは加塩タイプ。ほのかな塩気が全体を引き締める。蜂蜜は、マイルド感をプラスする名脇役。ミックスバターは二度に分けて混ぜることで、ラムのアルコール感をうまくコーティングしてくれる。
このレシピを提案したのは「ネプラスウルトラ」のオーナー、古田浩二さん。古田さんが主宰する「The Grand Cocktail」という勉強会から生まれたものだ。テーマにするカクテルを決め、週に一度集合しては、そのカクテルをあらゆる角度から研究している。スタンダードなカクテルでも、氷の角を取るか取らないか、ジンが先か後か、温度の違いなど、ほんの少しの工夫で、味わいが変化する。入手困難な材料は使わず、今ある材料を最大限生かしてレシピを構築する。こうしてブラッシュアップさせたレシピを広く公開、全国のバーテンダーが共有することで、バー全体の底力をアップさせるのが目的だ。
その恩恵は、呑んべえの一般人、私たちにも。…