国土交通省が来年４月からの導入を目指す高速道路の新しい料金体系について、神奈川県内では自動車専用道路「横浜横須賀道路」の通行料が値下げされる方向になった。

　　新料金体系では、入り口と出口が同じであれば通過ルートにかかわらず同じ料金となる予定で、東名高速などに比べて割高な圏央道（首都圏中央連絡自動車道）の県内区間も値下げされる可能性が出ている。

　　社会資本整備審議会（国交相の諮問機関）の国土幹線道路部会は１月２７日に発表した高速料金体系に関する基本方針で、圏央道や横浜横須賀道路の現在の料金水準が高いと指摘。首都圏の料金水準を首都高速を含めて統一し、今後は東名高速道路など高速自動車国道（大都市近郊区間）の料金を参考にすること、起点と終点が同じであれば、ルートや利用する高速道路の種類にかかわらず同一料金にすることなどを盛り込み、２０１６年度から導入するとした。

　　太田国交相は今月９日、高速ネットワーク整備などの要望で国交省を訪れた黒岩知事らに対し、横浜横須賀道路を値下げする方針を示した。県によると、国交相は最長距離となる狩場インターチェンジ（ＩＣ、横浜市保土ヶ谷区）―馬堀海岸ＩＣ（横須賀市）間の普通車料金が、現行の１４４０円から９００円台になる見通しを示した。ただ、土日祝日割引や深夜割引は廃止になる予定だ。

　　また、圏央道については、同部会が、埼玉県内の建設区間が開通した場合に厚木ＩＣ（厚木市）―久喜ＩＣ（埼玉県久喜市）間の料金が３７７０円になり、首都高を経由した場合の３１８０円より高くなると指摘した。これを受けて、新料金体系では値下げされる可能性が出ている。県道路企画課は「以前から圏央道の通行料を下げるよう国に要請しており、値下げを期待したい」としている。

　　一方で、国交省によると、料金水準の低い第３京浜や横浜新道は値上げになる可能性がある。

　　同部会は今夏にも首都圏の料金体系をまとめ、国交省は秋にも具体的な料金を発表する予定。ただ、首都高などの本線料金所を存続させるかどうかや、首都高でどこの出口を利用したかがわからないＥＴＣ（自動料金収受システム）未装着車への対応をどうするかといった課題が残っている。