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「専門医も『ここまで記載のないカルテを見たことがない』と」
「何が起きたのか? どうして止められなかったのか?2例目以降、なぜこのような死亡症例が続いたのか」(遺族の弁護団の会見)
群馬大学病院で去年までの4年間に腹腔鏡を使った肝臓の手術を受けた患者8人が手術後4か月以内に死亡した問題。いずれも執刀したのは、第二外科の40代の男性医師でした。
腹腔鏡手術とは、体に数か所の穴を開け、小型のカメラと手術器具を入れてモニターで観察しながら行う手術です。体への負担は開腹手術よりも少ない一方、高度な技術を必要とします。
遺族の弁護団は、カルテや手術の映像をもとに独自に専門家から意見を聞くなど調査を行い、その結果を6日に公表しました。
「腹腔鏡の技量について、かなり悪い。止血操作にしても全部悪い。相当下手である」(遺族の弁護団)
亡くなった70代の女性の手術同意書の手術の名称の欄には「肝中央2区域切除」と記載されていますが、「腹腔鏡」という文字はどこにもありません。
「手術同意書自体について、通常こんなにすかすかなことはない。手術をしない選択肢があることや、検査をしたことについても一切記載がない」(遺族の弁護団)
さらに、別の遺族は主治医からこう説明されたといいます。
「『今しかできない。今、手術をしないとあとはないよ。死んでしまうよ』と。『簡単な手術だから大丈夫。2週間で退院できる』と説明された」(遺族の弁護団)
病院側が今月3日に公表した最終報告書では、手術前の患者側への説明や腹腔鏡手術が適切であったかの評価が不十分であったとしたうえで、すべての事例で過失があったことを認めました。
「深くおわび申し上げます」(群馬大学病院の会見 今月3日)
遺族は「群馬大学ということで先生を信頼して命を預けた。母自身も死ぬまで信じていた」とコメントしています。
手術はなぜ繰り返されたのか。弁護団は、医師らを刑事告訴することも検討しています。(06日16:03)